【感想・ネタバレ】ヤマケイ文庫 人間は、いちばん変な動物である~世界の見方が変わる生物学講義のレビュー

あらすじ

ベストセラー『絶滅の人類史』(NHK新書)、『若い読者に贈る美しい生物学講義』(ダイヤモンド社)著者、更科功氏推薦!!

人間とは、いったいどういう生き物なのか?
動物行動学の泰斗である著者が、生物としての「人間」を、
容姿・言語・社会などの話題をさまざまに展開しながら、わかりやすい言葉で語る。

ドーキンスの利己的な遺伝子、ダーウィンの進化論、チョムスキーの生成文法、
ヴァ―・ヴェーレンの赤の女王説など、生物学の基本的な理論も、本書を読めばユーモアを交えた解説で楽しく理解できる。
著者が京都精華大学で行った最晩年の講義であり、今を生きる「人間」必読の一冊。

2010年10月に発刊された『ぼくの生物学講義』日髙敏隆(昭和堂)を改題・再編集のうえ文庫化。

「この現代、日本も含めて世界中でいろいろなことが起こっています。
よく考えてみると大昔から人間は戦争をしていて、いつになっても止まらない。
でも、戦争というのをする動物は、ほかにはいないんですね。それはなぜなのか。
どうしたらいいのかっていうことを、ちゃんと考えなくちゃいけないだろうと。
そのためには、生物学の一端として、人間というのはどういう動物なんだということを、
ちょっと考えてみる必要があるだろうというので、この講義をすることにしたわけです。」(本文より)

■著者について
日髙 敏隆(ひだか・としたか)
動物行動学者。1930年東京生まれ。
東京大学理学部動物学科卒業。理学博士。
東京農工大学教授、京都大学教授、滋賀県立大学初代学長、総合地球環境学研究所初代所長、
京都精華大学客員教授を歴任。2000年に南方熊楠賞受賞、2008年に瑞宝重光章受章。2009年11月没。
主な著書に『チヨウはなぜ飛ぶか』『春の数えかた』『人間はどういう動物か』『世界を、こんなふうに見てごらん』など、
主な訳書にコンラート・ローレンツの『ソロモンの指輪』、リチャード・ドーキンスの『利己的な遺伝子』(共訳)などがある。
広く深い教養をバックボーンに、誰にでもわかる平易な言葉で、動物行動学および生物学の魅力を長く伝えてきた功績は大きい。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

人間の進化の話や、生き物とはどんな特徴があるかをわかりやすく抽象化しており、生物学に精通していない私にも読みやすい1冊だった。
「人間はある程度思い込みがないとものを見られない」という言葉が面白かった。思い込み=誤解や偏見というマイナスなイメージが強かったが、そもそも「もの」を認知する上で必要な機能である。思い込みを捨てるのではなく、「柔軟な思い込み」を持てるようになりたいと思えた。

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2025年08月19日

Posted by ブクログ

面白かった 1回1回の講義の内容が濃いので一気読みはできず何日かかけて読んだ

利己的な遺伝子とか進化論といった内容について、端的に説明してくれていて分かりやすい

他の方も書いてるけどわかっていないことに対してはわからないと言える潔さも良かった 良かったというか、あっ わからないって言っていいんだ……とはっとさせられる

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

面白かった!一気読み。
話口調で読みやすい。
主観に終始せず、様々な研究や歴史を踏まえた考察で腑に落ちる。
分からないことは素直に分からないと言うところも好感◎

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

おんんんんもしろかったー!!!!!!
ほんとに人間って変、二足歩行だしおっぱい前についてるし、首も上に伸びてるし、いらんこと色々考えたり、本当に変。笑

ハヌマンヤセザルの話がおもしろかった。
オスがとにかく自分の遺伝子を残したくてたくさんのメスに言い寄って、メスは強い遺伝子を残したくてオスを吟味して、
そうじゃない人間もたくさんいるとは思うけど結局遺伝や進化の根本がここにあるから男の人の方がたくさんと浮気するとかいうのかな。女の人はパートナーと似てない人と浮気したりとか。

そもそも子ども残す気もパートナー作る気も全然ない私は、遺伝や生き物としてのあれやこれやから大分逸脱してるんではないかとも思いました。笑

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2023年10月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

2010年昭和社出版の改版? であるという。日高先生という方の講義がもとになっているそうだ。
興味深く、面白く、わかりやすい本だった。これは私だけかもしれないけれど、科学、『人間というのは』とかかればやれ倫理やら優越性やらこんぐらかったことを聞かされるようなものだと思い込むところがあるから……
ところがこの本では人間が動物だと規定したうえで「どういうところが」ヘンなのか解説してくれるわけで、科学迷子の私にもとても興味深かった。またそのヘンを返して「ではほかの動物にはいないのか?」というところまで講義されていてたのしかった。
釣り込まれて、「では私たちがいま『多様性』を求めているのは「ちがい」を求めて自分の血の入った子孫を残すためなのか、それともほかに……」などどわくわく考えはじめてしまった。

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2022年02月27日

Posted by ブクログ

京都精華大学で行った半年間の講義をまとめたもの。講義をビデオに収め、映像から文字を起こし、本としての体裁を整えられたそうである。

「人間はどういう動物かということを、われわれはちゃんと知る必要があるということです。」

講義の最後の言葉だが、講義冒頭の説明にもあるとおり、テーマになっている。

人猿のチンパンジーやゴリラとサル。タガメやカエルが出たかと思えば、ウグイスなどの鳥類など。さまざまな生物の視点から人間という動物を見つめ直しており、上の言葉の通り、まだわかっていないからこそ探求していかなくてはならないことを示されていると感じた。

初めての方でも、本著で著者の魅力が伝わるであろうし、私自身今一度他の作品についても手に取りたいと思う。

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2025年11月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

とても読みやすい。難しいことをわかりやすく、目の前で話してくださっているような作りになっていてとても面白かった。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

人間が他の動物と異なる部分にフォーカスし、とは言っても結局動物なんだよね と言う結論に落ち着く。

まず20~30万年前、アフリカで出現したホモサピエンスの身体的特徴から。直立二足歩行に適した身体の特徴的構造、エズモンド·モリスが裸のサルと呼ぶように、体毛がない理由、単なる哺乳器官としてだけではなく性的シンボル、美の象徴にまで昇華した乳房。
ヒトはチンパンジーやゴリラ等と同じように無尾猿apeのグループであること、人間には性器の周りに陰毛があるが、逆に動物では毛がない(頭髪は別として全身から毛が無くなると、どこに性器があるか分からなくなるから?)等は、新たな発見だった。
次に言語や遺伝子の働き、適者生存や適応度の説明、オスとメスの両性に分かれている理由等を通じて、子孫を残そうとするメカニズムを説く。

著者の日髙敏隆さんが、京都清華大学の客員教授をされていた時に講義をされた、全13コマの内容をまとめたもので、学生に飽きがこないように、面白くまとめられていると感じた。

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2022年06月24日

Posted by ブクログ

生物、社会など知識の無い状態でも分かりやすく説明。印象として残ったのは、オッパイだけになってしまった。

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2024年08月12日

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