【感想・ネタバレ】宇宙を支配する「定数」 万有引力定数から光速、プランク定数までのレビュー

あらすじ

万有引力定数=G、光速=c、プランク定数=h……など、根源的な自然法則に現れる「物理定数」。
科学はいかにして「その値」にたどり着いたか?

万有引力の法則から相対性理論、量子力学まで、宇宙の成り立ちを説明する物理法則には、必ず「固有の値」=物理定数が登場する。
物理定数とは何か? なぜ、一定の値をとるのか?
その値はどう決まるのか? そして、本当に「一定不変」か?
宇宙の誕生と進化を司る「究極の値」のすべて──。

〈もくじ〉
第1部 物理定数とは何か──原子に刻まれたものさし
第2部 「時空」を支配する定数──時間、光速、万有引力
第3部 「ミクロの世界」を支配する定数──電気素量、プランク定数、ボルツマン定数
第4部 宇宙の進化と物理定数──果たして「一定不変」か?

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ 購入済み

わかりやすく詳細

タイイトル通り、万有引力定数から光速、プランク定数までの「定数」に関する解説だが、まず世界を人間が捉えるための空間や時間の単位の成り立ちから話が始まる。
距離=メートル法の確立や、時間=1秒の定義、等など、世界を把握するための基本の網目の編み方から詳しく説明してくれているし、しかもなるべく平易に、数式を使った場合もその説明を欠かさず、如何に世界を人の思考と観察を使って分析していくのかということを説明してくれる。
『宇宙を支配する「定数」』という日本語タイトルには、なにか超越的な存在を示唆するような響きが有るが、内容に関しては、徹頭徹尾西洋科学的なアプローチ、つまり人間の能力と技術の及ぶ限り対象を分析して、その存在を分割対象化していく姿勢が伺える。
物理を学校教育で学んだ時には、その世界に対する見方の面白さよりも、公式などを暗記するような作業に辟易した記憶があるのだが、本来的にはこの本の内容のように、如何に人の使えるツールを発明・開発して、それを使って森羅万象の成り立ちを人間に分かるように見極めていくのかという、ある種の物語として読むことも可能なのだろう。
人の思考によって、物理的には絶対に手の届かない遥かな宇宙の構造までもを解き明かしていくことは、とても面白い体験です。

#深い #カッコいい

0
2022年08月01日

「学術・語学」ランキング