あらすじ
「福島第一原発の廃炉は順調だ」「30~40年で完了する」――そんな話を信用している人もいるかもしれない。しかしそれはとんでもない話だ。使用済み燃料の取り出しは滞り、燃料デブリは取り出す方法すら見つかっていない。それではなぜ、国と東電は廃炉が「できる」という幻想を広め続けるのか。廃炉を阻む最大の要因は? 事故発生当日から一貫して国と東電を取材し続ける記者が、幻想とその背景、廃炉の本当の未来に迫る。
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Posted by ブクログ
廃炉はそんなに簡単なものではないし、完全に見通しの立っているものでもない。今後も作業を進めていく中でいくつもの困難に突き当たると思われる。廃炉作業に関する費用も最終的にどのくらいになるのかわからない。とにかく、正しい情報の公開をしてほしい。
Posted by ブクログ
タンカーからオイルが漏れたとき、大規模な災害の時、、いろんな時に、結局手作業を繰り返すだけしか方法がなくて、それでもそれを続けがちなのが日本人なのかな、と思いました。
それにしても、どうにもならないこと、まさに「限界」になっていること・・・。
かかわった誰もがわかっているのにだれかの前言を撤回できず、そのまま先に、この道しかないと何年も何十年も進んでいくことを繰り返していることを痛感します。
間違いだと思ったら、立ち上がって、正しいと思う方向に、1人で歩きだすことが、絶対必要だと感じました。
福島の土で、セシウムが野菜に移行しないことを証明して、土をもういちど価値ある土壌に戻すために、生きてみたいなと感じさせられます。
Posted by ブクログ
事故直後は「廃炉の方法がわからないので予定が立てられません」とは言えないので、
「廃炉まで30から40年」と言い、どんぶり勘定の処理費用を捻出したことは理解できます。
ですが、実現性のない廃炉計画だったので、10年以上も年月がたつと殆ど進捗がないことが明白になっています。
つい最近(2025年4月中旬)、去年11月以来2度目の燃料デブリの試験的取り出しに成功しました。
と言っても、総量880トンはあるデブリのうち2号機から1円玉一個分くらいのかけらをつまみ出しただけです。
水素爆発で損傷が激しい1号機と3号機のデブリに関しては何もできていません。
事故から14年、炉心溶融で溶け落ちた燃料は、いまだに取りだし方法すら見つからないのが現状です。
デブリの取り出しは、デブリを水で満たし、放射線量を大幅に下げることが作業者の安全を確保する上で必須なのですが、
格納容器に穴が開いているので水が漏れてしまい、この方法が使えません。
つまり、880トンのデブリを取り出す技術は今のところ無いのです。
もし取り出せたとしても、強烈な放射性廃棄物の行き場所はありません。
「建屋を解体し、汚染土壌を撤去し、更地にする」というのが「廃炉」の暗黙の定義だったはずですが、
当初工程表に記載されていた「建屋の解体」はある時期からなくなり、「廃炉」の定義は曖昧になりました。
デブリの取り出しの他に「処理水」の問題もあります。
現在は130万トンも溜まってしまい、これ以上のタンクの増設はできないようなので、海洋放出を開始しています。
「処理水」は「汚染水」から放射性物質を出来る限り分離したものなのですが、分離した放射性物質のことはあまりニュースになりません。
この放射性物質は専用の容器に格納して保管していますが、「汚染水」がなくならないのでどんどん増えています。
他には「汚染土」もあるし、780万トンとも言われる(建屋などの)「放射能廃棄物」の処理方法も未定です。
2013年のIOC総会で東京オリンピック開催を勝ち取るため、安倍首相は口から出まかせの「アンダーコントロール」発言をしました。
当時は汚染水が日に300トンも海に流れ出ていて、汚染水の対策にお手上げ状態の時でした。
事故対応に悪戦苦闘していた関係者から大いに怒りを買いました。
凍土壁を作れば地下水の原子炉建屋侵入を防げると決めつけての発言で、その後には方法論が見えない廃炉の詳細な工程表まで示しています。
このような誰もが嘘だとわかることを、マスコミも特に問題視せず茶化すだけでうやむやにしていることに憤慨しています。
これから先も、どんな状態でも福島原発は「アンダーコントロール」されたまま存在し続けるのでしょう。
最後に、北海道では泊原発が再稼働となりそうですが、この方針決定には、ラピダスの半導体工場やデータセンター設置に伴う電力需要増があると思っています。
原発を稼働させないと電力が不足し、停電になる可能性が増すと脅して、原発に頼るしかないという状況を作っているようです。
万が一事故が起きても北海道だからいいという判断なのでしょう。
静岡の浜岡原発は、東京に近いことや東海道新幹線など交通機関の寸断が危惧されるため、再稼働の可能性は低いですから。
Posted by ブクログ
YouTubeでも同じ内容を話している
カラー写真など効果的に掲載されている
しかし、デブリは違う。硬い部分と比較的柔らかい部分、大きいものから、小石状のものまで、形状も重さも様々で、たとえ削り取ったとしても、安定的に炉外に出すのすら難しいだろう。桁違いのリスクと言っていい