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「福島第一原発の廃炉は順調だ」「30~40年で完了する」――そんな話を信用している人もいるかもしれない。しかしそれはとんでもない話だ。使用済み燃料の取り出しは滞り、燃料デブリは取り出す方法すら見つかっていない。それではなぜ、国と東電は廃炉が「できる」という幻想を広め続けるのか。廃炉を阻む最大の要因は? 事故発生当日から一貫して国と東電を取材し続ける記者が、幻想とその背景、廃炉の本当の未来に迫る。
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Posted by ブクログ
廃炉はそんなに簡単なものではないし、完全に見通しの立っているものでもない。今後も作業を進めていく中でいくつもの困難に突き当たると思われる。廃炉作業に関する費用も最終的にどのくらいになるのかわからない。とにかく、正しい情報の公開をしてほしい。
福島原発事故から、15年経った。そして、福島第1原発の廃炉は具体的にどう進んでいるのだろうか?ある意味では、日本では経験をしたことがない事故を起こした原発の廃炉だ。作業する人が被曝による健康被害を起こらないことが優先順位だ。また、廃炉処理によって、周辺に放射線被害を起こさないことも必要だ。『廃炉』...続きを読むとは、どんなゴールをいうのだろうか? 福島原発では、1号機、2号機、3号機がメルトダウンを起こして、それぞれが複雑になっている。本書を読みながら、『事故を起こした廃炉』は、やさしい課題ではないと痛感した。廃炉に従事している人たちの精神的及び肉体的なストレスについてかなりの負担があると思う。 当初、国は事故収束費用(廃炉、賠償、除染)に、5兆円とし、2013年には、11兆円になり、2016年には、22兆円となった。これに、880トンの放射性廃棄物の処理・埋設費用が含まれていない。それ以降は修正がされていない。日本経済研究センターなどの民間機関は、事故処理の長期化や廃棄物処分費を含めると、最終的に35兆円〜80兆円規模に達するという。 大規模なメルトダウン(炉心損傷を含む)を起こした原発は主に3件(計5基)。 スリーマイル島原発(アメリカ・1979年):2号機。 チェルノブイリ原発(ウクライナ・1986年): 4号機。 福島第一原発(日本・2011年): 1、2、3号機の計3基。 スリーマイル島原発2号機は、デブリの大部分(約99%)の取り出しに成功している。 燃料が原子炉の「圧力容器」の中に留まっており、福島原発のように格納容器まで漏れ出していなかった。また、常に水に浸して作業できたため、放射線を遮蔽しながら上から「つり上げる」ことが可能だった。それでも100%は取り切れず、現在は40年以上経った今も「監視保管」の状態が続いている。 廃炉にかかった経費は、約10億ドルだった。 原発1号機は事故後も2019年まで安全に稼働していたが、経済的な理由(天然ガスとの競争など)で一旦停止した。 AIブームによるデータセンターの電力不足を背景に、マイクロソフト社が1号機の電力を20年間独占購入する契約を結び、1号機は「クレーン・クリーン・エナジー・センター」と名前を変え、2027年から2028年頃の原発運転再開を目指して大規模な改修が進んでいる。 チェルノブイリ原発4号機はデブリの回収を断念した。あまりにも放射線が強く、現場の状況も複雑すぎたため、取り出す代わりに巨大な構造物で覆う「封じ込め」を選択している。 日本政府は、廃炉の「ロードマップ」では、事故から30〜40年後(2041〜2051年頃)に、溶け落ちた核燃料(デブリ)をすべて取り出し、更地に戻すことを「廃炉」のゴールとしている。 本書では、30〜40年後の廃炉というゴールが、幻想であるとしている。科学的根拠がないというが、初めての事業であり、科学的根拠は出しにくいのが現実である。できないことを「できる」と言い続けることで、国民や地元住民に根拠のない期待を持たせている状態であることを本書では批判している。日本には高レベル放射性廃棄物の最終処分場(地層処分)すら決まっていない現状があり、デブリという「最も危険なゴミ」をどこに、どのように埋めるのかということが明らかにされていない。 いずれにしても、ほぼ除染はされたというけれど、帰還困難区域の除染は済んでいないし、森林区域は除染がなされていない。 福島原発で880トンのデブリを取り出すには、技術革新(イノベーション)がいる。 耐放射線AI・ロボットの開発。放射線で壊れない電子回路やカメラの開発、ガレキを自分で判断してうごける自律型ロボット。 大規模切削・回収技術の開発。 デブリはコンクリートや金属と混ざり、岩のように固まっている。これを水中で、あるいは粉塵を散らさずに遠隔で「削り取る」巨大な重機技術が必要。 レーザー加工技術の開発。物理的な接触を避け、レーザーでデブリを細かく切断する技術の開発。 デブリの全量取り出しは、土地を更地に戻せる。将来の不安を根本から取り除く。ただし期間が100年以上かかる可能性がある。作業員の被曝リスク大。莫大な費用がかかる。問題は取り出した廃棄物をどこに埋設するかも決まっていない。 1号機に 約280トン。 格納容器の底に広く分布。土台が損傷しており慎重な作業が必要。 2号機に約190トン。デブリの一部が露出しており、今回試験採取に成功。 3号機に約360トン 。水位が高く、水中ロボットによる調査が必要。最も量が多い。 合計で約880トンのデブリ。ここでの問題は、デブリだけで、その時に発生する大量の処理水の処理も重要な課題でもある。取り出したデブリを処理場に運ぶ前の保管をどうするかも大きな問題。 さらに、1号機、2号機、3号機のところで、津波対策は進んだが、大きな地震が起こったらどうするか。想定外で済ますことができるかと本書は問う。 2024年11月に2号機から「直径約5mm、重さ0.7グラム程度」のデブリを伸縮パイプ式のロボットを使って試験的に採取したのが、事故後13年目にして初めての成果。デブリの実物を取り込んだことは、とても重要だ。そのことで、デブリの性質がよく理解できる。 原子炉内部は、事故によって剥がれ落ちた断熱材や、溶けて固まった金属、配管が入り乱れる「ガレキの山」となっている。ロボットを送り込むための貫通部(穴)は直径わずか20cm程度。その先にある堆積物をどかしながら、数メートル先のデブリを「釣り竿」のような装置で探る作業は、暗闇の中で長い箸を使って豆をつかむような難易度である。 全量取り出しにこだわらず、チェルノブイリのような石棺法もあるのではないかと提言している。 原発事故から、15年。廃炉に関して、もっと正確な情報を開示すべきであり、廃炉計画を現実に基づいて、練り直す必要がある。福島に、安全・安心を取り戻して、初めて福島の復興と言える。
事故直後は「廃炉の方法がわからないので予定が立てられません」とは言えないので、 「廃炉まで30から40年」と言い、どんぶり勘定の処理費用を捻出したことは理解できます。 ですが、実現性のない廃炉計画だったので、10年以上も年月がたつと殆ど進捗がないことが明白になっています。 つい最近(2025年4...続きを読む月中旬)、去年11月以来2度目の燃料デブリの試験的取り出しに成功しました。 と言っても、総量880トンはあるデブリのうち2号機から1円玉一個分くらいのかけらをつまみ出しただけです。 水素爆発で損傷が激しい1号機と3号機のデブリに関しては何もできていません。 事故から14年、炉心溶融で溶け落ちた燃料は、いまだに取りだし方法すら見つからないのが現状です。 デブリの取り出しは、デブリを水で満たし、放射線量を大幅に下げることが作業者の安全を確保する上で必須なのですが、 格納容器に穴が開いているので水が漏れてしまい、この方法が使えません。 つまり、880トンのデブリを取り出す技術は今のところ無いのです。 もし取り出せたとしても、強烈な放射性廃棄物の行き場所はありません。 「建屋を解体し、汚染土壌を撤去し、更地にする」というのが「廃炉」の暗黙の定義だったはずですが、 当初工程表に記載されていた「建屋の解体」はある時期からなくなり、「廃炉」の定義は曖昧になりました。 デブリの取り出しの他に「処理水」の問題もあります。 現在は130万トンも溜まってしまい、これ以上のタンクの増設はできないようなので、海洋放出を開始しています。 「処理水」は「汚染水」から放射性物質を出来る限り分離したものなのですが、分離した放射性物質のことはあまりニュースになりません。 この放射性物質は専用の容器に格納して保管していますが、「汚染水」がなくならないのでどんどん増えています。 他には「汚染土」もあるし、780万トンとも言われる(建屋などの)「放射能廃棄物」の処理方法も未定です。 2013年のIOC総会で東京オリンピック開催を勝ち取るため、安倍首相は口から出まかせの「アンダーコントロール」発言をしました。 当時は汚染水が日に300トンも海に流れ出ていて、汚染水の対策にお手上げ状態の時でした。 事故対応に悪戦苦闘していた関係者から大いに怒りを買いました。 凍土壁を作れば地下水の原子炉建屋侵入を防げると決めつけての発言で、その後には方法論が見えない廃炉の詳細な工程表まで示しています。 このような誰もが嘘だとわかることを、マスコミも特に問題視せず茶化すだけでうやむやにしていることに憤慨しています。 これから先も、どんな状態でも福島原発は「アンダーコントロール」されたまま存在し続けるのでしょう。 最後に、北海道では泊原発が再稼働となりそうですが、この方針決定には、ラピダスの半導体工場やデータセンター設置に伴う電力需要増があると思っています。 原発を稼働させないと電力が不足し、停電になる可能性が増すと脅して、原発に頼るしかないという状況を作っているようです。 万が一事故が起きても北海道だからいいという判断なのでしょう。 静岡の浜岡原発は、東京に近いことや東海道新幹線など交通機関の寸断が危惧されるため、再稼働の可能性は低いですから。
30~40年の工程表、22兆円に膨れる費用計画。デプリの取り出しの目途も立たず、廃棄物処理は含まれず。到底、足りるわけがない。劣化し続ける設備。崩壊前に片づけられるのか?…原発は究極の将来世代ツケ先送り。ツケを増やした愚策の数々。多くの関係者を縛った「アンダーコントロール」発言。その構造は森友問題に...続きを読む酷似する。お笑いネタとなった排水開口部への氷投入。勿論、流水は凍結しない。凍土壁固執により増えた汚染水はいくばくか。…あの頃内閣支持率は高かった。責めを負うべき世代はどこか?電力不足に再稼働を望む前に考える。
YouTubeでも同じ内容を話している カラー写真など効果的に掲載されている しかし、デブリは違う。硬い部分と比較的柔らかい部分、大きいものから、小石状のものまで、形状も重さも様々で、たとえ削り取ったとしても、安定的に炉外に出すのすら難しいだろう。桁違いのリスクと言っていい
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吉野実
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