【感想・ネタバレ】真実の言葉はいつも短いのレビュー

鴻上尚史

「ただ一本、芝居を打てたことだけで、僕は満足していました。（中略）タバコの煙とシャボン玉と、広場と。（中略）残念なことに、この幸福を超える幸福を、僕はまだ経験してはいないのです」（本文より）。鴻上尚史の芝居の原点とは？ その変遷は？ 彼の作品はなぜ人の心を打つのか？ 鴻上尚史と彼の演劇の全てが分かる、自選傑作エッセイ集！

[ブクログ · ★★★★☆]

考え方の形式が自分と同じなのだといつも感じる。だから何を読んでもなんのストレスもなく脳に染み渡る。これは気持ちが良い。そして、まだこの先の思考があるはずだという感覚、これもいつも鴻上ものの読後にぶら下がっている。これですべて解ってはいないはずだ。まだ見ぬ先の地平が。このことは誰よりも作者が気がついているはずだという確信。そのかわいさへの信頼が強く、ある。