【感想・ネタバレ】護衛艦あおぎり艦長 早乙女碧(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

ようやく、海に戻れる――。デスクワークに頭を悩ませる日々を経て、艦長に抜擢された、早乙女碧二佐。あおぎりはヘリを搭載する本格的な護衛艦で、艦乗りとして胸の高鳴る職場である。だが、いよいよ待ち望んだ初出港、というときに、電測員一名が姿を消したことを知る。このまま出港すべきか、否か。三尉として海上自衛隊に身を置いた著者が、女性指揮官の誇りとリアルを描く。新たなる組織小説の誕生。(解説・村上貴史)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

護衛艦の船長に晴れ晴れしく着任した女性自衛官の物語が始まったとなれば、自衛隊オタクならずとも大いに期待してしまうところだが、早々に発生した「大事件」は一隊員の未帰艦騒動であり、なんとか解決してから取り組んだ初任務は瀬戸内海で行ったり来たりする操艦訓練というなんとも地味なお話。これでは怒りだす(笑)読者がいてもおかしくないくらいだが、オタクならぬ門外漢にとっては例えば護衛艦の外観、装備や隊の内部統制などについて、未知の世界を手取り足取り案内してくれる親切ぶりがありがたくシリーズものの出だしとして悪くないと感じた。終盤にいきなりヘリ部隊が乱入してくるあたりで続編のプロットがもっと動いてくるのか、やはり地道に現実的なストーリーになるか、惑わせてくるところがまた心憎い。

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2022年12月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自衛隊の護衛艦に艦長として着任した女性自衛官が主人公の言わば組織小説。
作者は元自衛官らしく、描かれる組織や艦内の様子、艦長引き継ぎ式など普段は知ることもない自衛隊の様子が具体的に詳細に描かれていてなかなか興味深かった。
ただ、ストーリー的には特に前半から中盤まで着任時の艦内や乗組員の紹介に終始していて、展開が遅いと感じてしまった。
後半の服務違反事案やヘリの緊急着艦エピソードでようやく山が出来たと言える。
まあ、物語としてはこれから全てが始まるイントロ巻だね。
続きに興味が湧くけど、ただ、自衛隊を舞台にしているのならその舞台でなければ描けない、言わば自衛隊ならではのエピソードが欲しいところ。
最近出た続編にそれがあるのか気になる。

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2022年04月22日

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