あらすじ
地球はいま、危機的状況にあります。
海面は上昇し、海水は酸性化し、氷河は融け、河口地帯は洪水に見まわれ、多様な生物が絶滅し、共同体は不安定化しています。
しかし、わたしたちはその危険な環境の変化をほんとうに感じているでしょうか。
気候変動によって、気象全体や、食物連鎖や、生物多様性や、この先のよりよい未来にどのような影響があるかを。
本書は、将来の世界各地の激変ぶりを豊富な図版で解説した、第一級の資料です。
ニューヨーク、上海、サンフランシスコ、南極大陸、名古屋・伊勢……さまざまな場所の驚くべき変貌ぶりを、海藻を使った独自の地図で解説します。
いまからでも遅くない、地球を救う大事な一歩を踏み出すために、だれもが知っておきたい世界各地の変化を、海藻を使った地図で可視化し、豊富な図版で解説。
将来の地球を考えるために必携の一冊です。
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Posted by ブクログ
2015年にサンマテオで開催された海面水位の上昇に関する教育活動の場で出会った二人の女性が、同じ目的と互いに補い合える専門知識を持っていることに気づき、それぞれが各地を訪れ、気候危機、それに対する公共政策、その地域の住民の胸中を調査した結果をまとめたもの。
アメリカ各地は言うに及ばず、南極や北極、プエルトリコ、ペルー、ハンブルグ、テムズ河口、ケニア、バングラディシュ、ベトナム、上海など、世界各地(なぜか日本の伊勢市も入っている)がとりあげられている。本書のウリのひとつでもある地形の変化を図説したフルカラーの地図は、なんと海藻のシーレタスに描かれているのだが、残念なことに説明の図としてはかなり見にくい。普通にグラフィック処理してほしかった。また各項に必ず出てくる「2050年の未来図」は、フィクションを妙にリアルに書いているのだが、これはなくても良かったのではないだろうか。入れるなら予想としてこうなるのではないだろうか、またはこうあってほしいというコメントのほうがよかったと思う。