あらすじ
ベストセラー!第152回直木賞受賞作!
僕はこの世界に左足から登場した――。
圷歩は、父の海外赴任先であるイランの病院で生を受けた。その後、父母、そして問題児の姉とともに、イラン革命のために帰国を余儀なくされた歩は、大阪での新生活を始める。幼稚園、小学校で周囲にすぐに溶け込めた歩と違って姉は「ご神木」と呼ばれ、孤立を深めていった。
そんな折り、父の新たな赴任先がエジプトに決まる。メイド付きの豪華なマンション住まい。初めてのピラミッド。日本人学校に通うことになった歩は、ある日、ヤコブというエジプト人の少年と出会うことになる。
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Posted by ブクログ
島崎和歌子さんが出てきませんが、『ここにいる皆は、いつか会えなくなる友達なのだ。』という一文は、私のパート先の人妻同僚達との関係性と同じなので、グサッときました。
Posted by ブクログ
子供の頃のとても短く儚い思い出を描いたサラバ上編。
国籍の違い、宗教の違い、文化の違いで人間は無意識に他人を下に(自分と違うと一線を引く)見てしまう時がある。
異国の相手だとそれが顕著に出る。
しかし、同じ国籍の相手でも同様のことが起こる。
学歴の違い、職業の違い、家庭環境の違いで同じ文化の相手さえも見下してしまうことがある。
そして、そんな相手を「僕はそんな環境にいるあなたを理解していますよ」と安全な場所から見下ろしてしまう。
全ての人間が抱えている悪の部分がこの本では描かれている。
歩がヤコブに感じた「エジプシャン」でも「イスラム教徒」でも「向こう側の人」でもなく、ただただ「ヤコブ」であるという気持ちが大事なのではないか。
肩書ではなくただその人として接するということ。
歩の母はそれに気付けず歩を「歩」ではなく「(まだ意思決定ができない)子供」としか見れなかったから「歩」の気持ちもなしに強引に日本への帰国を決めてしまったのだろう。
年齢や国籍や信条など関係なくただその人であるということ。
Posted by ブクログ
歩の行動は自分みたいだと思った。いい子でいようとするところ。不穏は見て見ぬふり。物乞いする人に対して卑屈に笑ってしまうところ。見下してはいけないと思うところ。
向井くんの裏切りはつらかったなぁ。せっかく信頼して雑誌を見せたし、何より自分だけで抱えていたくなかった。寄り添って欲しかったな。
母親、父親も子供にもっと誠実でいて欲しかったけど、親も人間だね。
ヤコブとの出会いは歩に本当に救いになったね。しかも、「彼ら」に対して似た対応をするところ。「サラバ」は魔法の言葉で「愛してる」のように聞こえる。
中巻で歩がどう育っていくか気になる。