あらすじ
第二次世界大戦中の最も優秀なドイツ軍人として、史上最強とも言われる戦車軍団をつくりあげたロンメル将軍の名前を挙げる人は多いだろう。その優れた指揮能力と巧みな戦術は、アフリカ戦線で対峙した英米軍を震え上がらせ、神出鬼没な戦いぶりから「砂漠の狐」と恐れられた。本書は、祖国ドイツのために多大な戦功を上げながらも、最期はヒトラー暗殺未遂事件に連座して自殺に追い込まれる悲劇の勇将の生涯を描いた人物評伝である。ロンメルの生い立ちから始まり、「ブルー・マックス」と呼ばれるドイツ最高の勲功章を獲得した第一次大戦での活躍、そして護衛部隊指揮官として徐々にヒトラーとの関係が親密になっていった戦間期など、今まで触れられることの少なかった第二次大戦前のロンメルについても詳しく紹介している。著者が長年にわたって収集した貴重な写真資料や解説コラムも多数収録した、ロンメル・ガイドブックの決定版! 文庫書き下ろし。
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Posted by ブクログ
他のロンメル本よりかは少し物足りない所もあるがロンメルとは何ぞやを知るにはこれくらいでいいのかも知れない。偉くなったら現場離して中間管理職なんていうムーヴがいかに愚かかロンメルに見習ってほしい本邦の各会社。
Posted by ブクログ
ノルマンディ前の状況など、よく分かって、面白かった。
「史上最大の作戦」で、パラシュートで降下した兵が、みんな
迷子になる、みたいな話があったが、
あえて、嵐の夜に、作戦を実施したせい、と分かった。
アイゼンハワー(だったか?)は、事務職上がりとか、
色々エピソードが入っている。
スターリングラード、クルスク、など、有名な戦場も
ちらっと出てくるのだが、ほとんど触れられていない。
パットンも、名前が少し出てくるだけ。
ただし、ノルマンディー上陸作戦には、意外な形で
貢献している(パットンだけに注目していたので、
ノルマンディーから来るとは思わなかった)
とにかく、この本だけだと、戦争の全体像は分からない。
あくまで、ロンメルに絞った話。
ロンメルはそもそも、戦車が専門ではないのだが、
なにか、途中でいきなり戦車に興味を持ち、転属する、という
話だった。
初期のころは、ヨーロッパを舞台に活躍。
(作者のナチ好きっぷりは、ちょっとアレだが…)
機動力で、敵の砲弾が当たる前に、移動してしまう、という戦い方や、
森など、疑わしいところはとにかく砲撃する、などの作戦で
(作者も、ベトナム戦争時、この作戦で戦ったらしい)
連勝して、有名になる。
砲弾は、数キロ離れても、ぴかっと光ったら、もう着弾しているとか、
恐ろしい威力。
ドイツ軍が誇る、高射砲(?)も出てくるのだが、
プライベート・ライアンを見たら、それが出ていた。
この時期、ヒットラーの護衛などもして、ヒットラーとは面識があった。
その後、エジプトに転属、
軍部の理解の無さで、補給物資が届かず、
次々に補給される、イギリス軍相手に苦戦。
同盟であるイタリア軍の、無能っぷりの描写もひどい。
有名なエル・アラメインの戦いで、ついに負ける。
なお、戦地を戦いの前に、飛行機で偵察しておく、
というノウハウも書かれている。
撤退戦のうまさ、というのも描かれている。
その後、ヨーロッパに帰るが、敗色濃厚。
とにかく上陸作戦を阻止して、講和条約を有利な方向に持って
いこうとする(ヒットラーが降伏するとも思えないが)。
しかし、詩集を読みあげる、などの暗号の情報を
つかんでいたにも関わらず、それは、軍部に届かず。
偽装死体作戦にも引っかかり、
さらに、上陸したての兵を、戦車で一掃すれば
楽勝だったのだが、命令が遅れ、態勢を整えられてしまう。
まさに、ノルマンディーは、幸運で、成功した作戦であることが分かる。
その後、ワルキューレで有名な、ヒットラー暗殺未遂事件が発生。
クーデターをもくろむ勢力が、ロンメルを首相にしようと
していたことから、無実であるにもかかわらず、
呼び出され、自決。悲劇の将軍として、名を残す。