【感想・ネタバレ】教養としての金融危機のレビュー

あらすじ

激動の世界史と時代の大転換点――。
「100年間」に起きた「9つの危機」を「ストーリー」で一気に学ぶ…!

世界的な金融危機はなぜ起きたのか? なぜ金融危機は10年に1度起こるのか? 新型コロナショックは新たな金融危機を引き起こすのか? 危機を何度も乗り越えたこの世界は、いったいどこに向かうのだろうか?

【目次】
序――国の黒字・赤字とはどういう意味か?
――国際金融危機の仕組み
コラム 日本はこれからも経常収支黒字ですか?

第1の危機 なぜ史上最悪の危機は起きたのか?
――金本位制、大恐慌、ドイツを巡る資金の流れ
コラム あなたの国の経済的トラウマは何?

第2の危機 なぜブレトンウッズ体制は崩壊したのか?
――固定相場制、ドルの垂れ流し、ニクソンショック
コラム 人民元がドルに代わって基軸通貨になるのですか?

第3の危機 なぜドルは大暴落したのか?
――変動相場制、オイルショック、インフレ
コラム 経常収支の赤字や黒字は国内政策で是正できますか?

第4の危機 日米・米独貿易摩擦は乗り越えられたのか?
――プラザ合意、円高パニック、バブル発生
コラム 為替市場介入に意味はあるのですか?

第5の危機 発展途上国の債務危機はなぜ同時多発したのか?
――ラテンアメリカ大混乱、IMFプログラム、ブレイディープラン
コラム 発展途上国の貧困問題は解決できますか?

第6の危機 アジア通貨危機とは一体何だったのか?
――サドンストップ、パニックの伝播、アジア通貨基金
コラム 固定相場制が守れないのはなぜですか?

第7の危機 米国発金融危機はなぜ起こらなかったのか?
――ヘッジファンド、質への逃避、FRBの介入
コラム ハゲタカファンドに勝つにはどうしたらいいですか?

第8の危機 世界金融危機を引き起こした複合的要因とは?
――リーマンショック、金融工学過信、群集心理
コラム 国際金融は誰が運営しているのですか?

第9の危機 絶体絶命のユーロを救った「一言」とは?
――単一通貨導入、ギリシャ危機、ドラギマジック
コラム EUは連邦国家に向かっているのですか?

第10の危機? 次の危機はどこで起こるのか?
――新型コロナ、債務累積、資産価格高騰

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Posted by ブクログ

ここ100年ほどの金融危機の歴史を、大まかに俯瞰できる一冊だった。世界恐慌からニクソンショック、オイルショック、ラテンアメリカの債務危機、アジア通貨危機、そしてリーマンショックまで、各時代の背景や国際金融の構造的な歪みが丁寧に描かれている。複雑な仕組みを平易に解説しており、教養として金融危機を理解するのにちょうどよい入門書だと感じた。

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2024年09月05日

Posted by ブクログ

丁度この本を読んでいる1週間足らずの間で、1ドル160円代から140円を切ろうかという円急騰、株価はブラックマンデーを超える大暴落、金融政策の影響の大きさを実感しています。
もとより、ビジネスマンでもなければ、大した資産を持ってるわけでもないので、為替が動こうが、株が暴落しようが、いきなり生活に影響があるわけでもありませんが、それでも、本書で取り上げられるくらいの「危機」では、影響は避けられないわけで。
まさしく、「教養として」金融の素養を身に付けるのは必要かなと思います。

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2024年08月05日

購入済み

金融史の道すじ

金融が話題はなるが、だいたい知ったかぶり。日本の歴史を見返すことで新たな勉強になる。歴史から智者は学ぶ

#タメになる

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2022年03月19日

Posted by ブクログ

今まで起きてきた国際金融危機、そしてこれから起こり得る国際金融危機を体系的にまとめられた一冊。
自分の勉強不足でまだまだ内容が咀嚼できていないけれど、経済には浮き沈みの波がつきものだということは良く分かった。
もっとお金の勉強をした後に読み直して理解を深めたいな。

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2022年07月26日

Posted by ブクログ

近時100年間に発生した主要な国際金融危機9つを取り上げてわかりやすく解説した本。よくまとめられていて興味深く読んだ。

第1の危機は、言うまでもなく1929年の大恐慌前後の金融危機。戦後の国際金融システムの試行錯誤はここから始まったということは異論がない。だからこそ経済史の研究者たちの関心を惹いてきたわけだから。

第2の危機以下は次の通り。
2.なぜブレトンウッズ体制は崩壊したのか?
3.なぜドルは大暴落したのか?
4.日米・米独貿易摩擦は乗り越えられたのか?
5.発展途上国の債務危機はなぜ同時多発したのか?
6.アジア通貨危機とは一体何だったのか?
7.米国発金融危機はなぜ起こらなかったのか?
8.世界金融危機を引き起こしたの複合的要因とは?
9.絶体絶命のユーロを救った「一言」とは?
10? 次の危機はどこで起こるのか?

こうして列挙してみると、自分が生きてきた時代は戦後の国際金融危機連発の時代だということがよくわかる。各章あとのコラムもいくつか勉強になった。

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2022年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

過去100年にあった九つの金融危機を振り返り、その原因と問題点を探っている。
近年はコロナ禍の不況への対策として、各国の政府と中央銀行は未曾有の金融緩和政策を実施してきた。しかし今年からは経済を正常化するために金融引き締め政策が段階的に進められる運びとなる。今この時にこの本が世に出たのは、タイムリーであったという他はない。初心者でも理解しやすいように、国際収支の基本を確認し、第一次世界大戦後の国際金融危機から話を進めていて、金融政策や為替など国際金融の全体像を理解するための良書であると思う。
時の首相は「新しい資本主義」を唱えている。資本主義が古くても新しくても金融危機はやってくる。資本はより利益となる投資対象へと集まり膨れ上がり、やがて行き場を失うと市場は暴落する。
金融危機を未然に防止するのは難しい。「残念ながら、未然に防いだ危機は国民の目には見えません。危機予防のため、事前に財政・金融政策を引き締めたり、規制を強化したりすることは、おそらく不人気でしょう」と著者がいうのは、まさにその通りだと思う。
飽くなき成長を求めて、資本の移動の自由をどこまでも認めるのか、規律ある経済活動を促し、金融危機を未然に防ぐ(あるいは抑制する)のか。本の最後は、規律と成長が二律背反ではないこと、規律重視か成長重視かは選択の問題であると結んでいる。
最終章では今後の金融危機の可能性を予想しているが、「より大きな「危機」は、米国が「調整」をしてしまったときに来る」と予想している。米国の膨大な需要にとって代われる国はどこにもないからだ。まさに今、米国から金融引き締め政策が始まっている。これに追随するかしないか、各国で対応が分かれているが、その結果がどうなるかは、間もなくわかってくるだろう。

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2022年03月31日

Posted by ブクログ

金融危機に纏る歴史の流れ
金本位制や固定相場制から変動相場制への移行の流れ。
米国の財政赤字が世界の景気に大きく貢献する。
米国の財政赤字は、アメリカ自身に対しても大きなベネフィットになるけど、もちろん、ドル高によりドル資金が引き上げられた場合のショックも大きく、アジア危機などで示されてきた。日本も経済が好調な時期は貿易黒字の削減を求められたり。
中国の経済発展により相対的にアメリカの地位も下がったかもしれませんが、基軸通貨としての存在感は当分の間続くのでしょうか。
ユーロの行末もきりなりますが、世界の金融危機がウクライナの件も含めて、一部のひとの手によって如何に歪められてきのかという気がしました。
資金流入がストップするサドンストップという言葉を始めて知りました。

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2022年03月28日

Posted by ブクログ

大恐慌以来の100年に九つの経済危機。それらを概観した通史のような書籍。
僕のような門外漢がアウトラインを知るためにはとても良い本で、興味のある方にはおすすめ。もうちょっとだけ舞台裏みたいなのを書いてて下さるとなお良かった。

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

ブレトンウッズ体制に関する本を探していたところ、この本が検索で上がってきたので読んでみました。

いわゆる「説明」は、一般に、知識と論理、そしてそれらの組合せからなると思うのですが、この本に関しては、知識と論理の組合せがちぐはぐな印象を受けました。
論理を説明した方がよいと思われるところが、知識の紹介となっていることも多く、とくに前半はその傾向が強かったので、前半は、読むのがなかなかしんどかったです。

とはいえ、過去100年間に起こった金融危機を俯瞰する、という目的は、ある程度満たしている本だとは思います。
が、自分にはちょっとレベルが高い本でした(マクロ経済に関する知識がかなり必要な本だと思いました)。
また、最初の目的であるブレトンウッズ体制の説明も、必ずしも十分ではなかったこともあり、消化不良な読書となってしまいました。

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2025年09月13日

Posted by ブクログ

金融危機には理由があり、きちんと説明が可能だという事が分かるが、ならば何故それを食い止められないのか、分かりながら極限まで利益追求に走る構図や、そもそも金融危機でダメージを食らわないから気にしない等の私欲が邪推され、権力構造にただただ無力さを感じるのみ。

本著が記述する歴史の話で言えば、戦争に繋がる以下のような話が興味深く読めた。ケインズの予想通り、賠償金支払いが困難になったドイツが1922年に支払いの一次猶予を求めるがポアンカレ政権のフランスはベルギーと協調し、工業地帯であるルール地方を占領。アメリカもイギリスも損をするからと戦時債務のキャンセルはしない。ドイツは強烈なインフレとなり、パンの値段は10ヶ月で8億倍。1922年初に1ドル=160マルクが、23年11月には1ドル=4.2兆マルク。貯蓄や年金は無価値。国民の連合国への怨みが強まり、極右勢力が拡大。

第二次世界大戦後はイギリスもほぼ破産状態。アメリカからレンドリースという名の実物支援により、食糧や航空機、船舶等を受けていた。

終戦直後から1950年代はドル不足が国際金融システムの最大の問題。貿易決済に使われるドルが手許にない。そのためマーシャルプランにより、西側諸国に対し120億ドルの資金供与。9割は返却不要であり、欧州は輸入決済のドルを確保、など。

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2023年09月12日

Posted by ブクログ

新書なので入門書なのだろうが、中々どうして読みごたえがあり、自分の知識では理解できない内容も多々あった。

このレベルを専門でない人間が、世界経済あるいは金融政策の在り方の基礎教養として求められると中々厳しい(笑)

自分は年はとっているので第4の危機以降は、リアルタイルで経験している事になる。

振り返ると欲と叡智の狭間で金融危機も繰り返されたし、これからも危機に直面しそれを乗り越える事が繰り返されるであろう。自分が生きている間にどんな危機が起きるか分からないが、過去の歴史に学び賢くふるまう様にしたいと切に思う。

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2022年09月23日

H

購入済み

む~ん

金融関係に興味を持っていますので、書名「教養としての金融危機」に引かれて購入しました。
失敗しました。金融関係で基礎知識がある方には不要です。また、過去の金融危機を勉強したいと思い、この本を選ぶとがっかりです。
副題の世界史がキーワードです。
もう少し、書名と内容が一致するようにしてほしいと思います。

とはいえ、面白いので☆3つです。

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2022年07月16日

Posted by ブクログ

「教養としての・・」というタイトルにしてはある程度の前提知識がある方向け。取り分け、第7の危機あたりまでを実感として読めるのは、その世界にいた一定の年齢層の世代と思われます。後半、リーマンショック以降、最終章は比較的平易に書かれている為、この部分だけを読んでも一定の知識の補充になる感じがしました。

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2022年05月04日

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