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Posted by ブクログ
シートの中で目が覚めた新視点になった途端、は?なにこれ?うわぁ木原音瀬ワールドきました!って感じで読む手が止まらなくなり一気読みして、また読み返してるところです。
中村明日美子先生の表紙とても美麗で、新が出てくると何度も確認のために見てました。悲惨な境遇なはずなのにあまりそれを感じさせない。性別不明的なコケティッシュなシュールというかなんとも表現しがたい不思議な魅力、強烈に惹かれます。
解説で仁科を甘美な蜘蛛の糸に惹かれた虫に例えられてましたが、読者である私もすっかりも捕らえられてしまいました。新と絡め囚われた仁科の、その後の話をあともう1冊分くらい読みたい。
木原音瀬先生ならではのなんとも言えない終わり方、余韻もたまりません。ショートストーリーも大好きで何度も読み返してはにやにやしてます。
Posted by ブクログ
ホラー?サスペンス?ミステリー?ジェンダー?
様々な要素が詰め込まれていて最後まで一気に読んでしまった。解説にも書かれていたけど、いい雰囲気で終わったはずなのにどこかまだ裏がありそうな…。
中村明日美子さんの幻想的で不穏さが漂うカバーイラストも素敵すぎる。
Posted by ブクログ
背表紙でホラーを期待して手にとったら、表紙に中村明日美子!うつくしい!
山中で道に迷い悪天候に見舞われ同行者は怪我、一軒だけの家屋で雨宿り…さっそくホラーお約束の展開、おばけも出てきてワクワク!いいぞ〜!と思いきや、最終的にはサスペンスとかミステリー?ヒューマンドラマ?になるのかなぁ。
すっきり明快に謎が解けていったので、これはこれでおもしろかったです。
Posted by ブクログ
最初は、ゾクッとする怪談話で苦手だと思ったけれど、読み進めるうちに一気に読めた。
タイトルが気になって、何度か呟くとその意味が分かって、ページをめくるとやっぱりと。
新は、兄ちゃん、ばあちゃん、のちにおじちゃんと狭い世界で生きてきて、 なにも知らない。
ただ毎日お兄ちゃんと遊んできた、これからもそうしたい、おうちに帰りたい、それだけ。
これから仁科が外の世界を教えたところで自分は、かみさまだと揺るがない考えを持っているから、どこまで理解してくれるかもわからない。それでも、面倒を見る仁科の心の動きも気になって読み進めた。
新たにはひきつけるものがあり、美しいと感じたり、その感情にうまく向き合えない心の揺れなど。
新のこれからを漠然と考えているときに、光が見えても「外の世界」を生きる仁科は素直に喜べないし、戸惑う。光が強いほど、影も感じて不安がつきまとうのだろうなと。
仁科は新を強烈なまでの自己肯定感の持ち主だと思っているけれど、それも「外の世界」が作った考えで、新には、あてはまらない。
新はそんな考えを持ち合わせていないから、「たくさん服を着たい。遊びたい。アメリカに行きたい。」と、そこがどんな場所で、何が待ち受けているかということを考えることもない。
負の感情がなく育ったのは大きい。
例え誰かに何かを言われても「何がか?」「外の人間とぼくはちがう」「何が、いけんが?」と言える心はいいなと思った。