あらすじ
名著復活! サントリーミステリー大賞・読者賞ダブル受賞
その存在さえ知らなかった息子が瀕死の重傷。天才プログラマーの息子は、原発建設がらみのハイテク犯罪に巻き込まれていたのか?
スーパーコンピュータの開発者・羽嶋は25年前に別れた恋人からの突然の電話で、自分にその存在さえ知らぬ息子がいたことを知る。
しかも息子は瀕死の重傷を負っていた。天才プログラマーとして活躍していた息子は原発建設にまつわる陰謀に巻き込まれたのか?
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Posted by ブクログ
はじめて読む作家さん
物語の開始が、自分の知らない息子が生死の境を彷徨っているところからはじまる。
こんな状況に立たされたら自分はどうすれば良いのだろうか?
しかも主人公は日本いや世界で有名なコンピュータ技術者。
その息子が巻き込まれた事件を辿るうちに、原子力発電所に関わることがわかってきた。
そこには原子力という最先端技術に群がる利権亡者とそこの雇用にしがみつく人達の姿だった。
「電力は力だ。国家を人に例えるなら電力は筋肉と骨格を動かす活力だ」という文章が本当に沁みました。
日本原子力研究所で働いていた経験を持つためか、原子力発電所の賛成派と反対派の意見の描写が生々しい。