あらすじ
コシのある讃岐うどんはニセモノ!~――21世紀に入って空前の「讃岐うどんブーム」到来。全国各地に本場を名乗る店が次々とオープンしたが、はたしてホンモノはどこなのか。“蕎麦の国”から覗いてみると、意外な真実が浮き彫りに。「うどんは関西」とされているが、日本人とうどんのつきあいは古くて深い。稲庭、ほうとう、きしめん、釜揚げ……。伝統と匠の技が交差する。「うどんは馬子が食うもんだ」(『吾輩は猫である』)なんて、もういわせない! 粋なうどん通になるための、とっておきの薀蓄と秘伝を開陳。
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Posted by ブクログ
お蕎麦屋さん(有楽町更級の元ご主人)が書いた、うどんの本です。
かつて、更級で出すうどんは「うどん粉」で作られていた。ところがある日突然、その「うどん粉」の工場が廃業。代替品を調べてみると、同様のものは見つからないではないか。その時から、著者の「うどん粉」探求の日々が始まる…。
いやーしかし。「うどん粉」と「メリケン粉」は何が違うかだの、切り立て(包丁下)の蕎麦は煮てはいけないだの、真っ黒いおだしは関東の「箸でつまんで食べる」文化だの、「寝かし」と「熟成」の真実だの、のっけからトリビアの数々の深いこと。読んでいて少々胃にもたれるほどです(^^;)。
さらに、「北海道の地粉でうどん」ってどうよ?と思っていた(金比羅さんで、讃岐でも国産の小麦だけでは腰が出ないのでオーストラリアなどの海外産を混合して使っていると“習った”ので)のが覆されたり、やはり感動を受けた讃岐うどんの「腰」は、歴史的に見ると必ずしも正統ではないのだという話が出てきたり、うどんに対する「常識」を次から次からひっくり返されるのには驚きました。
うどんも突き詰めると油断ならぬなぁ~と、身にしみた一書でありました。