お蕎麦屋さん(有楽町更級の元ご主人)が書いた、うどんの本です。
かつて、更級で出すうどんは「うどん粉」で作られていた。ところがある日突然、その「うどん粉」の工場が廃業。代替品を調べてみると、同様のものは見つからないではないか。その時から、著者の「うどん粉」探求の日々が始まる…。
いやーしかし。「
...続きを読むうどん粉」と「メリケン粉」は何が違うかだの、切り立て(包丁下)の蕎麦は煮てはいけないだの、真っ黒いおだしは関東の「箸でつまんで食べる」文化だの、「寝かし」と「熟成」の真実だの、のっけからトリビアの数々の深いこと。読んでいて少々胃にもたれるほどです(^^;)。
さらに、「北海道の地粉でうどん」ってどうよ?と思っていた(金比羅さんで、讃岐でも国産の小麦だけでは腰が出ないのでオーストラリアなどの海外産を混合して使っていると“習った”ので)のが覆されたり、やはり感動を受けた讃岐うどんの「腰」は、歴史的に見ると必ずしも正統ではないのだという話が出てきたり、うどんに対する「常識」を次から次からひっくり返されるのには驚きました。
うどんも突き詰めると油断ならぬなぁ~と、身にしみた一書でありました。