【感想・ネタバレ】黛家の兄弟のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

前作「高瀬庄左衛門御留書」に続き最高に面白かった。(これと比べてしまい、直前に読んだ「ギフテッド」の星を1個減らした)

主人公の黛新三郎少年期とその13年後の二章で構成される。少年期らしい熱血さが面白い一章が盛り上がりまくって急に13年後の二章になったので、その先の話が盛り上がるのかを少し心配したが杞憂だった。二章も抜群に良い。

次男の壮十郎を切腹に追いやった敵である筆頭家老漆原の懐刀となり10年余、長兄の栄之丞(えいのすけ)とも不仲になり、三十歳をこえた新三郎(織部正:おりべのしょう)は復讐を忘れてしまったのか?先の読めない展開が続く間も、気になるエピソードがどんどん展開されていく。

先の読めない緊迫感がずっと続き、なんどもどんでん返しがあった上で気持ちの良い解決を迎え、最後に用意された妻りくとの微笑ましいエピソードの読後感も最高に良い。

「高瀬庄左衛門御留書」と同じ神山藩での話だけど、重要人物のリンクはそれほどないので、こちらを先に読み始めても全く問題ない。

文中に花鳥風月が美しく描写されているので、綺麗な文章を読んで良い気分になる効能もあります。

親友の由利圭蔵、黒沢家の先代の織部正、りく、侍女のすぎ、最後に出てくるすぎの亭主、壮十郎が惚れた柳町の飯屋のおときと息子の壮太、折々で巡り合う元黛家の女中、最後は胡弓の名手のみやの女性としてのたくましさ、などなど、前作と同様に、登場するキャラクターに魅力があり、それぞれが思いもよらぬ役回りを演じたりするのがとても面白い。

素人意見ながら、作者の2冊を読んで、話の展開やキャラの活かし方がすごく上手いと思う。他の著書も読んでみようと思います。

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2023年01月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

砂原浩太朗を読むのは3作目。
期待に違わぬ物語。
色々盛り込み過ぎで消化するのが大変だが、それも含めて堪能した。
数年後読み返してみたい。

作品紹介・あらすじ
第165回直木賞、第34回山本周五郎賞候補『高瀬庄左衛門御留書』の砂原浩太朗が描く、陥穽あり、乱刃あり、青春ありの躍動感溢れる時代小説。

道は違えど、思いはひとつ。
政争の嵐の中、三兄弟の絆が試される。

『高瀬庄左衛門御留書』の泰然たる感動から一転、今度は17歳の武士が主人公。
神山藩で代々筆頭家老の黛家。三男の新三郎は、兄たちとは付かず離れず、道場仲間の圭蔵と穏やかな青春の日々を過ごしている。しかし人生の転機を迎え、大目付を務める黒沢家に婿入りし、政務を学び始めていた。そんな中、黛家の未来を揺るがす大事件が起こる。その理不尽な顛末に、三兄弟は翻弄されていく。

令和の時代小説の新潮流「神山藩シリーズ」第二弾!

~「神山藩シリーズ」とは~
架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。

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2024年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

本作も面白かった。次兄の覚悟には、涙。
登場人物たちは多弁ではないが、話す言葉に重みがあるように描写されていて、印象的な言葉が多く、この作家さんの作品は、各シーンが映像となって脳内に立ち上る。
図らずも最後に大きな権力を得てしまった主人公は、見方によっては、悪人にも見えるんだろうなあと、善人と悪人は単純に測れない、端から見るとわからないと描かれている様に思う。

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2023年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こういう長編の時代小説は初めてです。
最初は登場人物の立場などがごちゃごちゃしてしまい、わかるまで苦労しました
一族の繁栄、野心があり、裏切りなどもありますが兄弟の絆が感じられます。
小兄上の最期は描かれていないものの、そこに至るまでの経緯が重く、辛く、主人公の心の葛藤に心が痛む程でした

だれかの夢を見るのは、そのひとがどこかで思ってくれているから

幾度かこの言葉が出てきますが、それなら寂しさもいくらか紛れる気もします

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2022年11月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

必ずしも清廉潔白ではない主人公。現実の世界ってこんなもんかな。一部を読み終わって高揚感でうわぁーって盛り上がったけど、二部でグレーに塗りつぶされた感じ。女性も男性も長所だけではなく短所も描かれたうえで魅力的な人物が多数出てきて楽しかった。

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2022年10月02日

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