あらすじ
「世の中おかしくなった」と誰もがいう。教育の荒廃、凶悪犯罪、環境破壊、金銭汚職。ことあるごとに「誰かのせい」がはじまる。政治家が、役人が、教師が、そして会社が悪い。そうじゃない! あなた自身の見方・考え方がまちがっているのだ。
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Posted by ブクログ
・現在は「ああすればこうなる」と思いすぎている社会。ああしてもこうならないのが自然。ああすればこうなるのは人間が作った「都市」だけ。日本はすべてが「都市」化されている。
・子供=自然だから、ああしてもこうならない。それがまちがいである、悪であるとされる社会だから子供が生きにくい。育ちにくい。そうしているのは大人、都市である。
・本当に個性が宿っているのは身体である。思想、心なんていうのはそんなにオリジナリティなんてないものである。だからこそ、他人に共感できる。身体=自然だけれど、心=人工なのである。
そんなことがまるで都々逸のような、老人の繰り言のような調子で書かれています。
少し前、オウム事件の頃に出版された本ですが、震災の少し前に読み終わっていて、いろいろ考えさせられました。
まさに今、読む意義のある本だと思います。
Posted by ブクログ
「養老孟司の<逆さメガネ>」3
著者 養老孟司
出版 PHP新書
p77より引用
“あの頃、そういう風潮に乗った人たちは、
反省してるんですかね。”
解剖学者である著者による、
世の中を視点を変えて見てみるための教育論を記した一冊。
ヒゲボソゾウムシと百円玉から脳に対する入出力まで、
著者の実体験から得られた考えが数多く書かれています。
上記の引用は、
90年代初めから半ば頃のオカルト流行についての一文。
ここ最近のTV番組等を見ていても、
まぁ反省などしていないんだろうなと思わざるを得ません。
p39の後ろから3行目以降の記述を読むと、
結局生きるためには辛抱強さが何よりも大切なんだなと思います。
予測不能の状況を前にして、
どんな結果が出るかわからずとも努力し、
失敗しても辛抱し、
なんとかかんとか切り抜けて行かなければならない。
こうして文章にするだけならなんとも簡単なんですが・・・。
著者のその他の著作で書かれる主張が、
この本でも繰り返し書かれているので、
ファンならばその考えを深めるには良い一冊です。
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Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「世の中おかしくなった」と誰もがいう。
教育の荒廃、凶悪犯罪、環境破壊、金銭汚職…。
ことあるごとに「誰かのせい」がはじまる。
政治家が、役人が、教師が、そして会社が悪い。
そうじゃない!
あなた自身の見方・考え方がまちがっているのだ。
「都市こそ進歩」「個性は心にある」「バリア・フリーの社会を」…。
現代人のその価値観は、大きな錯覚である。
本書では、「都市主義」「脳化社会」のゆがみを鋭く指摘。
これまでの常識にしばられず、本質を見抜けるか。
養老流の“逆さメガネ”を披露。
[ 目次 ]
第1章 現代人の大きな錯覚―“逆さメガネ”の教育論
第2章 都市化社会と村社会―脳化社会の問題
第3章 身体感覚を忘れた日本人―都市化と身体
第4章 大人の都合と子どもの教育―問題は親にあり
第5章 変わる自分、変わらない自分―心と身体の関係
第6章 人間が幸福にならない脳化社会―意識的世界の限界
第7章 ふつうの人が幸福に暮らせる社会―共同体を生きる
エピローグ 男と女は平等か―人間を分割してしまうもの
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