あらすじ
本書は五月に一挙に六冊文庫化された松下幸之助の「心得帖シリーズ」の四作目である。他の五冊が商売と経営をテーマにした作品であるのに対して、本書は表題どおり、人生についての考えを述べたものであり、その人生論はまさに松下自身の体験と鋭い洞察から得た“生き方の智恵”“人生の指針”といってよい。人間としての成功とは何か、悩みはどう解消すべきか、生きがいとは何か……。人生の達人・松下の言葉には時代を超えた説得力がある。
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Posted by ブクログ
audiobookで聴読。
1894年11月27日生まれの松下幸之助氏が本書の前書きを書かれたのは1984年5月。
まもなく90歳を迎えようというときに、それまでの人生を振り返って、自らの人生から得たことをまとめられた書である。
前書きでは、こう述べられている。
「奥行きが深く、複雑で微妙な人生。まだまだ修業途上にある私が、人生について語るのはおこがましい限りです。しかし、私なりの体験とそれに基づく考えが、みなさんのよりよき人生のために、いささかなりともお役に立てばとの願いから、あえてまとめてみた次第です。ご意見、ご感想等お聞かせいただければ幸いです。」
日本を代表する人物の90歳での言葉である。この謙虚さこそが偉大さの証明のように感じる。
内容もすばらしく、何度も読み返し聴き返したい書だ。
目次を追うだけでも生き方のエッセンスが見えてくる。
01 まえがき
02 人生の航海術
03 運命に光彩を
04 磨けば輝く人間の本質
05 人間としての成功
06 天分の発見
07 まず信頼すること
08 感謝する心
09 こわさを知る
10 人情の機微
11 日々の体験を味わう
12 長所も短所も
13 流されずに聞く
14 仕事と運命
15 熱意と誠意
16 学問を使いこなす力を
17 病とつきあう
18 悩みの解消
19 続けること、辛抱すること
20 自己観照
21 無用なものはない
22 物を泣かさず
23 年齢と持ち味
24 女性と仕事
25 親の責任
26 人生を生ききる
27 ”生きがい”ということ
28 よき人生とは
29 天寿を全うする