【感想・ネタバレ】社会的ひきこもりのレビュー

あらすじ

30歳近くなっても、仕事に就かず、外出もせず、時に何年も自分の部屋に閉じこもったまま過ごす青年たち。今、このような「ひきこもり」状態の青少年が全国で増加しつつあるといわれている。現場の精神科医として約10年にわたり200例以上の「ひきこもり」の治療に携わってきた著者により、「ひきこもり」を単なる「個人の病理」でなく、個人・家族・社会の3つのシステムの関わりの障害による「システムの病理」であるという捉え方から、「ひきこもり」についての正しい知識と対処の仕方を解説した、初めてのテキスト。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

まさに、発達障害のある長男が、高校2年冬から急に
不登校 → 引きこもり → 転校...何とか通信制高校を卒業(←いまここ)。

引きこもり関係の教育テレビや新聞記事で、何度もお名前を拝見していたので、大型書店で探して購入。

実際に接している肌感覚からすると、齊藤先生の言葉やアプローチは、わが家の場合、まさに本物です。

具体的には
実践編 p110~
「そこにある」ことを認める
努力と激励の限界
一方的な受容の弊害
外傷の体験と回復
ひきこもりにおける他者との出会いの欠如
なぜ治療が必要か....

に書かれている内容が、身震いするほど共感します。

ひきこもりを「成熟の問題」と言語化し、定義されていることに、強く感動します。

かかりつけ医師や相談室所員の勧めてくる「完全受容」だけでは、家族を自分の手足の様に使うだけで、更に困難になってくる感触があります。

暴力も、下手な対応をすると、エスカレートしていきます。

家族が、いかに対等に、冷静に、本人と向き合い続けて、長期戦を乗り越えていくか...「他者による介入」をいかに有効に使うか...

対応に困っている多くの家族の方、関係機関の方々に、広く理解してもらいたい内容です。

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2019年02月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者のことは「100分de名著」の特番を観て初めて知った。著者の著作を何か読んでみたいと思って読んだ本。精神科医がひきこもりについて書いている本だったので読んだ本。著者の著作の中で初めて読んだ本。ひきこもりについて読んでいて参考になった。この本を読んでひきこもりには他の精神病と同様に家族の理解と協力が大切だと思った。DV対策のところが読んでいて特に参考になった。著者の他の著作も読みたいと思った。ひきこもりの人が身近にいる人に読んで欲しい本。20年近く前の本なので、著者の最近書かれたひきこもりについて書かれた本も読みたいと思った。

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2018年01月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 ひきこもりの数は減少するどころか、より長期化して社会的病理にまでなっている。それはこの「病」が個人的な疾病を超えて、家族や環境にも原因があるからだ。この問題を扱った本は少なくないけれど、「ひきこもり」と「精神疾患」との線引きがどうも明瞭でなく、どういう状態になったら医療を頼るべきなのかがわかりにくい。そのために本人も家族も「次の一歩」を踏み出せないでいる場合が多いように思う。
 そして本書では、こういう家族がますます「閉じて」いってしまうことが、何よりも問題の長期化の原因であると指摘している。そして「治療」はまず家族だけでも「精神科」に相談すること、と明示してあるところがわかりやすい。精神科の選び方、本人の診察に行き着くまでの経過などについても、他のこれに類する本に比べればかなり丁寧に示されている。
 1998年の時点でこういう内容の本があるにもかかわらず、この問題が未だ進展を見ないでいるのはやはり「家族」が情報に対しても「閉じて」しまっているからなのだろうか。
 

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2015年09月26日

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