あらすじ
投資家と企業のどのような対話が企業価値を高めるのか。どのような尺度で成果を計るのか。ESGにどう取り組むか。具体例を元に解説する。
本書の問題意識は2つある。第1に、投資家は投資先企業に対し開示を求めるばかりで、自分たちの考えを投資先企業やお客様などインベスト・チェーンのステークホルダーへ十分に伝えていないのではないかということである。第2に、「対話」において試行錯誤している内容を具体的に公開することで価値創造につながる「対話」とは何かという議論を喚起できるのではないかということである。
本書では、カルビー、ナブテスコ、名古屋鉄道など企業名を明記し、具体的なやり取りを公表することで臨場感を感じてもらえるように「対話」を開示。かたちだけの「対話」に終わらず、新たな意味が生まれ、価値が創造される道を探る。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
投資家側がリアルな企業評価モデル、対話の実例を掲載している点がとても参考になる。
実際に使用している企業評価シートやESGR評価シートも公表するなど、企業と投資家との対話を向上させようという熱意、本気度が感じられた。
この本を読んでいる中、Appleの時価総額が一時3兆ドル(約340兆円)を突破するというニュースを目にする。
同時に、東証1部の時価総額合計(22年1月4日時点)が約749兆円である現実を見て、正月早々、何とも言えない気分になる。
企業と投資家との対話の質向上により、情報の非対称性が緩和され、ひいては企業価値向上につながることを願うばかりである。
Posted by ブクログ
企業価値向上の号令が株式市場にかけられて以降、資本コスト意識と対応はさらに進んだと思う。本書からは、エクイティ・スプレッドと株主価値との関係、キャッシュの有効活用と資本政策、環境対策投資と財務インパクトなどの気付きがあった。