あらすじ
「かれんと付き合ってるって本当?」花村のおばさんから聞かれ、とっさに否定してしまった勝利。誰も傷つけたくなくて、ふたりの関係を守りたくて、ずっと秘密にしてきた。それが間違いだったのか。勝利へ思いをよせる星野りつ子の存在も、かれんには言えなくて。後ろめたいから言えない。言えないからますます後ろめたい。秘密は増殖する。悩み多きシリーズ第8弾。
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Posted by ブクログ
この巻は話が色々動き出して面白かったけどそれにしても、怖かった。
途中怖すぎてホラー小説かと思った。
前作から勝利が嘘に嘘を重ねすぎて、どこまで嘘つくのか、いつバレるのか、読んでて不安で苦しかった。
バイトがクビになる、丈と京子ちゃん、叔母さんの疑い、星野りつ子のストーカー、勝利の一人暮らし、かれんの転職と一人暮らし・・・
どんだけ秘密抱えるの。別にさらっと言っても良いこともあるのになーと思う。秘密を守る為に嘘をついて、その罪悪感があるからか余計後から言い出せなくて、なのにまた平気で嘘をつく。かれんにさえも。
なんだろう、かれんの言う優しい秘密と、勝利の抱えている秘密は違う気がする。
相手を思いやって嘘をつくことも時には必要だと、そう思ってきたけど、読んでいるとついて良い嘘と悪い嘘の違いが分からなくなってきた。後味が悪いというか、なんかモヤっとしたら悪い嘘なんだとは思う。
なにより衝撃だったのが星野りつ子の言動。メンヘラ?闇落ち?とはこのことか。勝利への試し行為がどこまでエスカレートするのか本当に怖くて、今までとは別人に見えた。
自分で自分を苦しめるのが読んでいて痛々しい。無敵の人になってしまった。
これでは『大事な女友だち』にもなれないと思うな。勝利に自分のエゴを全部ぶつけて、それで良い関係なんて。
ただ勝利もりつ子を遠ざけるタイミングを間違った。もしかして遠ざけようとも思っていなかったその甘さがこの問題を引き起こしたのかもしれないけど。本当は、りつ子を振った時に距離を置くべきだった、どれだけ近寄られようとも。
大切にする人を間違ってはいけない。人生において何事も優先順位をつけることは重要。
とは言っても勝利はまだ大学生なので、5歳も年上で社会人のかれんが叔母さんやりつ子に毅然と言ってあげても良いと思うけどなぁ。
勝利はもっとかれんに頼っても良い。
「一つでいいから、どんな時にも揺るがないものを持て。うまいと思うコーヒーの味でもいい。あるいは、手本にしたい誰かの背中でも、胸に響いた言葉でもいい。そういう、まわりの状況に左右されない自分だけの基準があれば、いざという時に方角を見失わずにすむ。ちょうど、どこからでも見える高い塔みたいなものさ。知らない場所で、たとえ進む道がわからなくなっても、そこへ立ち戻りさえすればまた一からやり直せる」
マスターのこの言葉、前に西加奈子の『サラバ』を読んだ時にも同じような言葉が出てきて、ハッとなった。
自分が信じるものを見つける。『サラバ』自体がそういう内容だった。
銀色夏生のエッセイにも似たようなことが書いてあった。
あれからそういうものを見つけられたとは思っていないけど、人生で何回も思い返したいほど心に響く大切な教え。
何度も出会う度に、少し勇気づけられる言葉。
20260322
Posted by ブクログ
かれんと勝利が付き合っていることが、どうしてかれんが花村家の本当のこどもではないということを知っていることになるのかがわからない。
いとこ同士ですが付き合ってますでいいんじゃないの?
男が年下では頼りないというのはあくまでも外野の意見であって(というか、誰にもまだ言われてないし)、ふたりがいいのならいいじゃないか。
戸籍を観れば簡単にわかる秘密なんだもの、本来ならタイミングを見計らって親の方から話す案件。
かれんがそこまで育ての親に気を遣うのなら、それは親の方が悪いんだよ。
だからと言ってかれんが親を責めることはできないけれど。
だけど秘密を守ることばかりに重点がいって、秘密を守るために傷つける人が増えるのなら、それはやっぱり間違いなんじゃないかな。
私には勝利が誠実には思えない。
いろんなところに気を遣っているけれど、結局誠実ではないと思う。
星野りつ子に何を言われても、「君を好きになることはできない。これ以上つきまとわないでくれ」とはっきり拒絶すればすむ話。
彼女を傷つけるとかつけないではなく、自分が悪者になるかならないかで行動しているんじゃないの?
だから後ろめたいのでは?
かれんに対して不誠実だという自覚があるのでは?
Posted by ブクログ
秘密と嘘は
違うかもしれないけど
どっちも人を傷つける可能性があって
できることならしたくないけど、
どんどん深みにはまっていってしまって。。。
できることなら
そんな関係嫌ですね(-д-`*)ウゥ-
星野さんの気持ちも分かるけど
切ないね(ノω・、)
Posted by ブクログ
今回は『秘密』がテーマだったけれど、嘘をついてそれがどんどん重ねていくことになり苦しんでいくショーリ。優しいだけに考えてた結果嘘をつくことになるわけで…まだまだ若さゆえの悩みで2人の関係に変化があるのはかれんが引越しをして遠距離恋愛になってからかな。星野りつ子は危なげでストーカーになる手前、彼女が次に行動を起こすとしたらちょっと危険な感じがする。
Posted by ブクログ
ここまで星野をボロボロにしてそれでも勝利を追いかけさせるとは…作者、先の展開はあんまり考えてませんね(^_^;)
それにしてもここまで嘘で塗り固めた勝利クン、このあとどうやって収拾つけるんでしょ?想像もつきません。
そしてカレン、誰かのために収入を減らすことはやってはいけない。しかも祖母は結局亡くなる。その後で、まだカレンには長い人生が残っている。そりゃ後悔はしないだろうが、逆に失った物の大きさを知らないだけだ。作者が、安定した生活を捨てて、夢を追いかけて成功したからこんなストーリーが描けるのかもしれませんね。あとがきは普通のエッセイになってました。
Posted by ブクログ
花村のおばさんに、「かれんと付き合ってるって本当?」と聞かれて、息も止まりそうになった。
りつ子のあきらめられない苦しい思いが、花村のおばさんにそう思わせるような言葉を言ったのだ。
話さないでおいてくれると思っていたのに。
丈は、京子から、憧れの先輩とキスなどをしてしまったことを聞き、「それでも自分を好きか」と試されているようで嫌だと言う。
勝利は、りつ子が家まで来て、胸を貸してあげたことをかれんに言えずにいる。
秘密を、話すことが優しさなのか。話さないことが優しさなのか。
話すことには、どこかで「許してもらえるだろう」という期待もあるのだろう。
聞いた側の度量で対応が決まるというのも、たしかにずるい気がする。
同じ作者の「海を抱く」で、同じことをした者でないと赦すことはできないといった内容があったように思うけど、
同じ高さにいないと、本当の意味でわかりあうことはできないのだと思う。
そうでない限り、片方が我慢して受け入れることになる。
そうであるならば、話さずに、苦しさを抱え続けるというのが正当な罰なのかもしれない、とも考えた。
話さないでいられることの苦しさを思うと、また悩ましいところで、正解などないのだろうけど。