あらすじ
埋まらない社会の分断、無関心という病、かつてない気候変動の危機。
コロナ禍で顕在化した危機にどう立ち向かえばいいのか。
時代の危機に、キリスト教はどう答えてきたのか?
教皇フランシスコ、トマス・アクィナス、アウグスティヌスから
カール・バルト、西田幾多郎まで。
未来を照らす光を過去の叡智に探る神学対談。
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Posted by ブクログ
志村ふくみ・若松英輔『緋の舟』、辰巳芳子『手の味こころの味』『いのちと味覚』をきっかけに、キリスト教(カトリック)の世界の本に少し寄り道している。
その過程で、カトリック教会が、第二バチカン公会議(1962〜1965年)で他宗教との対話を訴え、その実践が今も続けられていることを知り、現代のありようをもう少し知りたくなり、本書を手に取った。
現代の教皇の回勅(司教や信者に向けた公文書)を取り上げながらの解説(対談)なので、上記がわかりやすかった。
「神=至高の正義」の存在を信じ、その正義のために「自分の持っているものを与えるだけはなく、自分自身を与えなければならない(第一章)」とする点には、正直高い敷居を感じた。しかしカトリックは、世界で14億を超える人が入信していると聞く。それが他宗教との対話を継続しているというのは、教義を信じる信じないとは関係なく、大事にしなくてはいけないことだと思った。
「私たちにとって重要なのはイデオロギーではなくコスモロジーなのではないか(註)(第二章)」という意見は、多様性の中での対話のありかたという点で傾聴に値する。
(註)
イデオロギー:政治、社会、道徳、宗教などにおける、人々の行動や考え方の根底にある価値観や思想の体系
コスモロジー(宇宙論・世界観):自分をも含めた世界をどのようにイメージし、生きる意味を見出すかという関係性・秩序の枠組み