あらすじ
史上最も騒然とした政権移行は、核兵器を使った米中戦争という国家存亡の危機に瀕していた。
重い影を背負ったバイデン政権の実態。
復讐を誓うトランプ復活の未来。
著名記者が放つ全米大ベストセラー。
【内容紹介】
現職大統領トランプが選挙不正を唱え続けるなか2021年1月6日に発生した議会襲撃事件は、トランプからバイデンへの政権移行が国家存亡の危機を招く可能性を強く示していた。襲撃事件直後、統合参謀本部議長マーク・ミリーは、1933年にナチスが起こしたドイツ国会議事堂放火事件をトランプが再現しようとしているのではないかと懸念した。事件を利用してナチスは独裁を完成させたが、同じような混乱をもたらすためにトランプは核兵器を使うのではないか。トランプが核のボタンを押せば数分内に何個でも核弾頭が発射できるが、その決定に至るまで誰の助言を聞く必要もない。
本書で調査報道の名手ボブ・ウッドワードと政治記者ロバート・コスタが暴き出すのは、まさに開戦の危機に直面していたアメリカの姿である。200名以上の関係者にインタビュー、さらにメモ、電話記録、日記、メール、会合記録といった私的な記録や政府資料から、トランプのホワイトハウス、大統領選、政権移行の大混乱、国防総省、議会、バイデン政権の実態を明かす。
バイデンは前大統領の重苦しい影を背負った。パンデミック、悪化する経済、党派主義がはびこる政治、危険に満ちた国際関係。「この危機の冬、私たちにはやることが大量にある」と就任演説で語ったバイデンは、実際に何をやったのか。本書は、トランプ政権の終わりとバイデン政権の始まりという、史上最も騒然とした政権移行を描くものである。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
トランプ1期目と、バイデン1期目の序盤を描いた労作。政権奪取前は威勢の良かったバイデンが徐々に萎んでいくのは見ていて厳しく、政治家というのは野党の時こそ輝いて見えるのは万国共通だなと感じた。
全体を通して、トランプ2期目との最大の違いは側近の質であると強く感じた。たとえば1期目はウィリアム・バーやマーク・エスパーといった実務家がトランプに異を唱えてでも職務に忠実であろうとしていた。大統領選挙結果を巡って、マイク・ペンスがトランプの意に反してトランプの敗北を認めたのは最大の例だろう。
その結果、トランプ2期目では絶対的な忠誠をもとに側近を起用したのだなと納得できた。その結果としてアメリカが早くも破壊されかかっているのだが……
軍がどこまで耐えられるのか。制服組トップには耐えてもらいたいのだが、本書でトランプがやりたがっていたイラン攻撃が現実にされたことでゲンナリしている。
Posted by ブクログ
こんな表紙と帯見たら読みたくならないわけがない
もしかしたら起きていたかもしれない中国への攻撃
ある種モンスター化したトランプを支えるスタッフ
対するバイデンとは果たしてどういった人物であるか
あの議会襲撃事件で現場はどんな状況だったのか
コロナによるパンデミックという予期せぬ事態
経済対策でのギリギリの攻防戦
米軍アフガニスタン撤退への想いと拭えぬ悪い予想
中間選挙への不吉な影
この本は確かに長い
だが読んで良かった、知れて良かった
アメリカ議会の仕組みと漢字表記だとまるで早口言葉のような様々な役職がわかっていないので正直どこまで内容を理解できてるのか自信がない
ただ、わからないという事実はわかったし、この本を読んだことで知れた知識を前提に次に本を読めるのは非常に嬉しい
Posted by ブクログ
前作に続き、トランプ政権の内幕を信じられないレベルで明らかにする内容。今回はトランプからバイデンへの政権移行期をカバーしており、1月6日のトランプ支持派による議会乱入がクライマックスになっている。トランプとその取り巻きが異常な集団である事が細かく描かれて本当に気持ち悪くなる。ちなみに今のウクライナ危機に繋がるエピソードもあり、日本語訳がこれだけ早く出るのはありがたい。