【感想・ネタバレ】平安男子の元気な!生活のレビュー

あらすじ

華やかで,まったりと優雅なイメージがある平安貴族の男子たち.でもじつは,ハードワークな元祖ビジネスパーソンだった!? 恋とファッションだけじゃなく,ゲームやサッカーもセレブのたしなみ? 就活ノウハウに出世のヒケツ,バッチバチのライバル対決…….意外とアクティブな彼らの生活,平安男子たちのがんばりをどうぞご覧あれ!

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「ところで、ここまででなにか気になることはないですか?  そうです。肉がないですよね。実は平安人は、肉類をほとんど食べなかったみたい。平安時代には仏教が流行っていたので、動物を殺すこと(殺生)は避けられていたんです。だから平安男子はみんな草食系でした。」

—『平安男子の元気な!生活 (岩波ジュニア新書)』川村 裕子著

「でも、平安男子には大事なお仕事がもう一つあります。それは、行事や儀式をきちんとやること。今だって入学式とか初詣でとか、イベントはあります。だけど、平安男子のイベントの量は、それどころではなかったのです。これをきっちりこなしていくことが、ミカド(天皇)を中心とした貴族社会のなかで、立派な立場を維持するために、超大事なことだと考えられていたんです。」

—『平安男子の元気な!生活 (岩波ジュニア新書)』川村 裕子著

「なんと、苦しい時には神頼み!  道長さまは一〇〇七年に吉野(今の奈良県)金峯山に行くのです。ここの権現様(小守三所)には、子どもを授ける力があるといわれていたみたい。  貴族は山登りなんてしないと思うかもしれませんが、道長さまは執念で金峯山に登りました。そして、権現様にお祈りしたり、お経を地面に埋めて納めたりしたのです。」

—『平安男子の元気な!生活 (岩波ジュニア新書)』川村 裕子著

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2025年06月03日

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大河ドラマ「光る君へ」の影響で読みました。もうドラマも終盤でしたが、ドラマでは行成くんがお気に入りのキャラクターだったので、この本でも行成がフィーチャーされており興味津々で読みました。
主に道長とその親や子供の代、行成、実資、架空の人物ながら光源氏などの源氏物語の登場人物辺りが多く取り上げられていて、平安「貴族」男子の仕事や衣服、生活様式などについて知る事ができます。

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2025年01月04日

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大河ドラマが超絶面白いので読んでみた!いや、本当にこのドラマ面白いのだがなにぶん平安時代への知識不足のため理解ができないことが多い。で、私でも理解できるようになりたいー簡単に知識習得できる書物が読みたいーとなっていたところへの助け船。なんてわかりやすいの!わかりやすいけどポイントはしっかり把握できるように書かれていて、素晴らしい参考書であります。知識が深まります。これでまた、数倍楽しくドラマを楽しめます。ありがとうございます。

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2024年03月14日

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『平安女子の楽しい!生活』の同シリーズ。今度は平安時代の男性の生活にピントを当てた案内書。前回同様、語り言葉、今のおしゃべりで、平安ボーイズの毎日を再現している。最初に紹介しているのは、藤原行成。『枕草子』等でもおなじみの、当代きっての青年貴族である。彼もここでは、親しみやすく、行成くん、であって。この人選がすでに良いよなあと思うのである。物語から引っ張ってくるのではなくて、行成くんなところがいい。文学作品や歴史の教科書で小難しく出会うより親しみも湧くし。

朝起きて、眠い目をこすりながら起きてくるところから。なんて、自分と重ね合わせたら、誰もが経験がある。出かける先は、学校と内裏で違うのだけど、似た感覚で入っていける。

風俗や文化、行政機構と出世、位階のシステム。人との関わり。権力機構と結婚制度…骨肉の争いの原因。ここだけは、平安時代を知るために押さえたいなと思う部分が、まんべんなく書かれている。

源氏物語の『美男が和歌詠んで恋してたんでしょ?』で
済ませられがちな文学・時代観を取り払って、成長して、働き、恋をし、家庭を持って、老成して往生、という、現代のライフステージと同じところに貴族の男たちを連れてきているのが、本当にわかりやすいのだ。

書かれている内容は、女子版の時と同様、平安文学や歴史が好きな人なら知っていることも多いだろう。しかし、時を告げる太鼓が鳴り渡る都大路を想像した人は少なかろうし、当時の碁や双六のルールが解説出来る人も少ないだろう。それを知ったからどうだと言われたらそれまでだが、空蝉と軒端の荻が遊ぶ場面や、近江の君が双六フリークで、相手が悪い目が出るように

「小賽!小賽!」

と叫んで、頭中将にうんざりされるところなど、この本を読んでから触れると

「顔は可愛いのに、この田舎育ちの俺の娘は…多分教育しても后候補にはならないだろう…残念すぎる!」

と、内心頭を抱える様子など、コミカルで悲哀のにじむ気持ちだろうと、理解も面白さも増すわけで。

つくづく、この本が小学生や中学生の頃にあったら、楽しかったろうと思うのだ。小学校から古典大好きって変人だった私、周りには大人向きの本しかなかったから。

ちゃんと最後に、平安時代の人々と、現代の読者―若い世代の人たちの架け橋になるメッセージがあるのも、このシリーズの素敵なところ。

「平安文学?そんなの読んで、あなた、何したいの?儲かるの?」

って訊いてきた、近所の女性に読んで欲しい。そういうことじゃないのよ。たぶん、

「これは若い子向けでしょ?あなたとは違うじゃない?暇でいいわね、優雅ねえ。」

と切り返されそうなんだけれども…。そういう問題では、ないのだ。

何か通じ合うもの、感じるところがあるから、令和の今にだって、ドラマになり、読まれ、味わわれているものだから。この本が、平安文学や歴史学の、良い水先案内として、たくさん読まれたら良いな、と心から思う。大人にも、ジュニア世代にもオススメなのは、言うまでもない。

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2023年05月25日

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平安女子に続いてこちらの男子も読んでみた。
最初は語りかける口調に戸惑うが、すぐ慣れて親しい家庭教師に教えてもらっているように頭に入る。
著者も言っているように、平安時代といえば和歌を読んで雅で、男子もすぐ泣くみたいなイメージが強かったが、この本を読むとかなりハードな生活をしていたことが窺えた。
鞠で遊んで恋にかまけてばかりではなかったんだなあ。
中学生の頃に、国語や平安時代の歴史の時間に読んだら、もっと興味を持って授業に取り組めただろうな。

今回この本で特に印象に残ったのは、第3章の藤原行成の子供が亡くなった時のことだ。
当時は死に触れるとケガレが生じ、そのケガレはうつると考えられていたのでいろいろな行事にしばらく関われなくなってしまうというのが、現在のコロナに似ていると思った。
死因が細菌やウイルスに依るものなら正にそうで、千年も前の当時の人々も、経験から接触が媒介するとわかっていたことに驚く。
結局医学が進んでも、基本的に出来ることはそう変わらないのかもしれない。
この本が出版されたのも2021年なので、著者も多少意識していたのかも。

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2022年03月05日

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前作『平安女子の楽しい生活』がとても面白かったので、こちらも読んでみました。

前作では煌びやかだけど、待つしかできない女の身の辛さを知ることができました。
今作では、行事や暮らしなど、生活や政治的な話が中心になっています。
生活だとか政治だとか、言葉だけだと退屈そうなんですが、川村さんはまるで友達のことを話すような調子で平安男子の生活を語ってくれます。
イマドキの言葉遣いが、昔のことでも、共感や親しみが沸くように導いてくれる。

それなりに古典文学を読んでいても、
いまいちわかりにくいのが、当時の彼らの風習や文化で、
方違えだとか、結婚だとか、なんとかの儀だとか、身分だとか。
調べても断片的にしかわからないアレコレが、一つにつながっていくので、より古典文学を楽しみたい人にもオススメ。

国語の先生だから大抵のことは知っていると思われていますが、自分が知っている知識は女子の目線ばかりであったことに気がつき、勉強不足だったのを実感しました。

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2021年08月12日

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行成を通じて、平安男子のオフィス事業などが書かれていて楽しくよめる本でした。

「光る君へ」に登場する五節の舞姫の位置づけもわかって、興味深かったです。

当時の男性たちが出世するには教養も財力も必要で、大変な時代だったんだなあと思いました。

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2024年10月21日

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ネタバレ

『平安女子〜』の内容にも言及されているため、続けて読むとなおよさそう。こちらもとても読みやすい。
平安男子は朝早くからハードワークなんだなぁ…と思って大河を見ると、やっぱりいつもみんなでだべって噂話して、のんびりしているような。行成、伊周、道長のエピソードなど、ちょうど今やっている大河の副読本にぴったり。この前伊周と道長の矢のエピソードもあったなぁ(伊周が嫌なヤツにされていたが)。服装の説明はあったけど、烏帽子の説明がなくて残念(大河で烏帽子がスケスケなのが気になっている)。

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2024年05月07日

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ネタバレ

川村先生の岩波ジュニア平安シリーズ第二弾。先に後発の女性作家編を読んでたので、これにて三部コンプリートということになる。

大河のおかげで、かなり平安の世がビジュアルとしてイメージしやすくなったこともあり、まぁサクサク読めること読めること。
最初の方に出てくるのは、行成くん。ドラマでは渡辺大知くんかな⁇ たまに見知らぬ人が出てくるので、調べてみると、「あ、兼家のご兄弟!?」と当人の顔こそ思い浮かばなくとも、段田安則さんの…という感じで読めてしまう。中には、割と最近のエピソードの元となってるらしい部分もあり、とにかく読むなら今を置いてないという感じ。

これも他のと同様、思いっきり現代語なので、そういう語彙に慣れてない方には不向きかもしれないけど、普段ネットを見ている人なら大丈夫ではないかな⁇

そして、単なる平安男子の暮らしの紹介本だけでなく、川村先生なりの若者に向けてのメッセージが込められてるのも魅力の一つではないかなと思う。

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2024年04月24日

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大河ドラマの影響で気になって読んでみた。ドラマに登場したことが満載だったから、このタイミングで読んで正解。易しい表現で読みやすいし、ドラマの演者さんたちの姿が浮かんで活き活きとイメージできた。女子編もあるそうで、そちらも気になる。

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2024年02月29日

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『平安女子の楽しい!生活』が面白かったので、こちらも読んでみました。
源氏物語なんかを読んでると、平安時代の貴族って恋愛にしか意識がいってないんじゃない?と思えるけど、実生活は早朝から内裏に出勤したり、数々の行事をこなしたりして、なかなかハードワークだったのですね。もっとまったりした生活をイメージしてました。
あと、平安時代の貴族が残した日記は子孫に残した行事マニュアルだったとは知りませんでした。女性たちが残した「◯◯日記」とは目的が違ってたのですね。
勉強になりました。

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2023年07月29日

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大人向けの本などでも書かれていることが、具体的にイメージしやすく書いてあります。古典文学にあまり詳しくないので、特にお仕事について、なるほど~と思いました。なかなか忙しかったんですね。でも格差社会は、…嫌だなぁ。

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2023年07月17日

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『平安女子』と同様、ほぼ話し言葉で書かれている上、挿絵も多く中学生でも全く問題なく読める。
早川圭子さんの絵は、本文の説明をうまく絵にしながら、源氏物語絵巻風の雅な雰囲気があって素晴らしい。
女子、男子2冊読んでから高校で古典を習うと面白くなると思う。
江戸時代は360年以上続いて長い印象だけど、平安時代も長かった(390年)から、安定していた時期には男子も武より文に重きを置き、戦いではなく出世競争にしのぎを削っていたのだなあ、いくさがないとそうなるね、と改めて思う。

とても楽しい上に教養も身につくお得な本。

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2021年05月19日

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ジュニア新書といえど決して馬鹿にしたものではないということは承知。こちらの本も一応日記等をもとにわかりやすくくだけた感じで平安時代男子の生活を描写している。まあ、ないものねだりをすれば道長前後の時代に限られているということ、読者が中高生の想定で(”ジュニア”なので当然ですが)くだけすぎていることなどでしょうか。その辺は平安時代史・文学のほんのさわりを描いた入門書という位置づけなのでしょうから仕方がないところか。(後は自分で勉強しろと…)
しかしさっそうと登場した行成くん、途中からあまり出てこなくなります。もうちょっと活躍させてもよかったのでは。書の方では三蹟に数えられる人だし。ま、これもこの新書サイズの本ではないものねだりか。

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2021年04月11日

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古文に興味があって、なんかちょっと知りたいけど、何から読めばいいのかな、という中高生に推薦したい本。セットに「女子」版があるので、合わせて読むと良い。当時の生活や人間の紹介があってイメージしやすいが、それらも物語や日記からとってきてるので、それらもフィクションだという意識をいずれ持たなきゃいけなくなるかな、とは思う。

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2021年03月07日

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ネタバレ

華やかなりし平安時代。

ですが、裏を返せば、それだけ大変な競争社会であり、その上に雅があったと思うと、私はこの世界では生きて生きないかもしれない

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2021年03月04日

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同じ著者の『平安女子の楽しい!生活』を読んで、流れで読んだ。女子版と同じく、平安時代の男性貴族の仕事風景やファッション、身分制時代のキャリアアップについて、恋愛といった、古典常識をかなり手軽に学ぶことができる。
全体的に、平安男子の生き様から、現代人である私たちも元気をもらおう、という精神に貫かれていて、随所で平安時代の感覚を現代の人や物に例えて説明してくれるので分かりやすい。
ただ、平安貴族の仕事ぶりを現代のビジネスマンのようにハードだったものとしたり、やや、本当に同じなのかなあ、と違和感を感じる部分もある。加えて、若い子に読んでもらうことを意識してか、「軽い口調」風した文体にやや世代を感じて、読んでいて苦手な人は苦手かもしれない。

内容的に面白かったのは、「キャリアアップを支える家族」のくだり。「平安男子のキャリアアップに必要なものの一つ。それは経済力でも実力でもなく、奥さんと娘さんなんです」(P79)というところは、単純に当時の結婚の意味をいまいち理解できてなかったので、すごく面白かった。
道長とその妻倫子を例に、子どもをたくさん産むこと、特に女子を産むことの意味や、結婚によるキャリアの違いなどが説明される。こういった様子を見ると、現代の恋愛や結婚の感覚の違いは大きかったのだろうなあ、と思う。

文体や考え方に癖があり、硬めの本が好きな人には、逆に読みづらいかもしれない。ただ、平安時代の貴族の常識を男性視点から見るという意味では、とてもいい入門書だったと思う。

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2023年10月24日

Posted by ブクログ

女子のほうが面白かったのでこちらも。楽しく歴史の子となども勉強できる。女子の方がやっぱなんか優雅なかんじだねー。

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2023年04月19日

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