あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
わたし(千恵子)は東京・浅草の洋品店で育ちました。
チーコと呼ばれていました。
兄弟たちは疎開し、父親は戦争にいってしまいます。
1945年3月の寒い、風の強い夜、なんの前ぶれもなくやってきたB29爆撃機の大軍のために、焼夷弾で町中が焼かれ、わたしは母親と、母親が縫って作ってくれた人形をもって、無我夢中で逃げました…
10万人以上が一夜で亡くなった、世界最大の空襲・東京大空襲。
本書は、作者みずからの体験をもとに描かれた、初の本格的な東京大空襲の絵本です。
作者の塚本千恵子が少女時代に体験した、この空襲において、母親の犠牲により一命をとりとめた実体験を、息子の画家・塚本やすしが絵本にまとめました。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
小学校教諭をしていますを
以前東京の戦災資料センターを訪れた際紹介していただきました。
太平洋戦争末期、アメリカ軍の爆撃機によって空襲の中でも
昭和20年3月10日深夜の空襲はもっとも激しく
死者は約10万人ともいわれています。
この被害は、複数の爆撃機による1度の空襲としては史上最大であり、
同じ年の広島・長崎の原爆投下とともに
第2次世界大戦中の最大の被害とされています。
東京大空襲の最大の特徴としては、
それまでの多くの空襲とは違い、
戦争に直接関係する軍事施設ではなく、
普通の家や民間人を殺傷することが最初から目的だったことです。
言問橋の悲劇や焼夷弾で燃え広がる街の描写。
柔らかなタッチの絵で描かれるからこそ浮き彫りになる戦争の残酷さ、悲惨さ。
当時6歳でこの空襲を奇跡的に助かった塚本千恵子さんの体験記となっています。
私は社会の戦争の授業や毎年3月10日にこの本を読み聞かせをします。
戦後70年を超え、戦争を体験した方のリアルな経験を伝えていただける機会は年々減っていきます。
ぜひ子どもたちにも伝えていかなくてはいけないと思います。
ぜひご一読のほど。