【感想・ネタバレ】タイム・スリップ芥川賞―――「文学って、なんのため?」と思う人のための日本文学入門のレビュー

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Posted by ブクログ

博士と少年がタイムマシンに乗って、芥川賞の歩みを分かりやすく説明してくれています。

自分も昔にタイムスリップしている気分で楽しかったです。芥川賞をとった初めの方の作家や作品について、ほとんど無知で目から鱗でした。

芥川賞をとれなかった太宰治は、さぞかし悔しかっただろうなあ。

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2024年01月31日

Posted by ブクログ

もったいぶらないで、解りやすく平易に纏めてあるので、とても読みやすかった。芥川賞とは言ってますが、戦後の純文学全般に渡って解説してくれていて、入門書としても十分でした。

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2023年04月25日

Posted by ブクログ

⚫︎受け取ったメッセージ
私のような純文学を読み始めた初心者が
歴代重要作家たちを、流れと繋がりを持って
楽しく知ることができる本


⚫︎あらすじ(本概要より転載)

「小説を読む前」にわかる日本文学入門。

芥川賞は、「戦後日本人の歴史」そのものだった。

前代未聞の「文学エンターテインメント」!!


たとえばマーケティングや経営戦略の入門書に、「とにかく原典を読んでください」というものは少ないでしょう。しかし、「文学の入門書」だけは「とにかく読みましょう」というものが多い。そりゃそうです。文学は、読まないとわからない。体験しないとわからない。でも、それが文学好きと文学嫌いとの断絶を助長している側面があるのではないでしょうか。

本書は、1冊も小説を読んだことのない少年が、文学好きな科学者と一緒にタイム・マシンに乗って、歴代芥川賞受賞作家に会いに行く設定のストーリー形式で進みます。

主人公は、作品が生まれる瞬間や作者のその後に「実際に立ち会い」、文学への理解を深めていきます。そして、芥川賞とその時代背景にある日本の高度経済成長、民主主義、政治の変遷、都市と辺境、日米関係、ポップカルチャーやインターネットの台頭などを同時に振り返ります。

文学の意義やおもしろさ、日本の戦後史と芥川賞の関係、そして「人間と文学」の関係まで明らかにする「教養としてのエンタメ文学」です。

-------もくじ------

プロローグ 博士の家にて

第一章 石原慎太郎と太陽の季節
1956年 東京

第二章 大江健三郎と戦後民主主義
1959年 東京
1994年9月17日 東京
1994年12月7日 スウェーデン

第三章 中上健次と日本近代文学の完成
1968年 新宿
1970年 羽田
1980年 和歌山
1976年 新宿

第四章 村上龍と近代化の終わり
1976年 東京・新宿
1978年 東京国分寺
1987年 東京

第五章 80年代と視覚文化(ポップカルチャー)の氾濫
1977年7月14日 アメリカ・イーストハンプトン
1964年10月16日 東京・銀座
1963年3月1日 東京 阿佐ヶ谷

第六章 90年代と新しい小説家たち
1998年 東京神楽坂
2004年 東京有楽町

第七章 芥川賞はいかに創設されたか
1927年 東京

第八章 又吉直樹と日本文学の100年
1999年 東京・三鷹


⚫︎感想
芥川賞受賞作が時勢を反映しているため、
タイムスリップという形で時代背景や当時の受賞作家のエピソードをなぞりながら、変遷を知ることができる。会話形式で読みやすい。

戦後11年、石川慎太郎氏の受賞作からはじまり、作家になる前の村上春樹がやっていたジャズバーに村上龍と編集者の安原顯が訪れていた…などのエピソードなど、作家同士の関係も簡単に知れて楽しい。作家同士が影響を受けて、次なる新たな作品を生み出すという流れを感じられた。

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2023年12月10日

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現代文学について知りたくて手に取ったら、読みやすくて面白いやら、読んでみたいセンセーショナルな作品が沢山紹介されているやらで、大満足だった。文豪は書き出す前に読みまくっているということがよく分かった。私も、又吉のように国語便覧で文豪の系譜を辿りながら、気になった作品をどんどん読んで、お気に入りのジャンルや作家を探していこうと思う。

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2023年11月14日

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ネタバレ

『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』の著者による芥川賞入門書。

博士と少年がタイムマシンで過去に行って芥川賞受賞時の雰囲気を伝える、という内容でまずは石原慎太郎。

まず石原慎太郎から始まるのがとても良い。芥川賞創設から入るとそこでお腹いっぱいになってしまうし、慎太郎本人は知事として、さらに弟・ 石原裕次郎ももちろん有名ですから。

大きく取り上げられている作家は
石原慎太郎、大江健三郎、中上健次、村上龍、又吉直樹(敬称略)。時代の流れとして80年代、90年代、芥川賞創設時が取り上げられています。

大江健三郎、ノーベル賞受賞時に1回だけ読もうとして100頁でギブアップしたんですよね。懐かしい。再挑戦してみようかな。

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2023年01月04日

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時代性の反映と捉える(られうる)芥川賞の歴史についてをポップに、といった感じなので
消化しやすさは間違いなく、軽い読み物として他の受賞者や直木賞についても見てみたくはなった。

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2022年03月28日

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芥川賞受賞者/作品という軸で日本の文学史を眺めてゆく視点が新鮮。菊池寛が設立した当時から、戦後の高度経済成長期、バブル期、ポップカルチャー、失われた30年と、時代性を映し出す文学作品たち。作家の連綿と連なる一本の糸を実感する。

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2022年01月22日

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全歴史を紐解こうと思うと、かなり膨大な量になってしまってしり込みしがちだけど、本作くらい簡便に纏められると、ちょっと手に取るにももってこい。全編会話形式だから、サクッと読み通せるし。主たる受賞作家とか、意外に取っていない人とか、それなりに取り上げられているし、まつわるエピソードも結構興味深い。直木賞バージョンもちょっと見てみたいかも。

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2022年05月16日

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斜め読みで失礼。
受賞作家とその時代。受賞作以外評価されない作家や話題性にバラつきがあるけど、やはり天下の芥川賞。その中から選りすぐってこちらに取り上げられた作品と作家というだけあって各々のエピソードを面白く読みました。

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2022年03月26日

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芥川賞とその時代背景をざっくりおさらいしてくれる。
博士と少年、タイムマシンであたふた、ていう手垢つきまくった設定でずっといくので、それがちょっと苦手でした。。

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2022年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「芥川賞」の歴史ってことをザックリなのかと思っていたけれど、タイムマシンに乗ってあちこち覗き見状態、だけど面白み満載。
想像した内容ではなかったけれどこれはこれで楽しめた。

私の推しの作家さん、何人も載ってないので残念。

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2022年02月03日

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