あらすじ
准男爵のネヴィルは意気消沈していた。よい妻になりそうな女性に求婚したのに、また断られてしまった。それもこれも、僕が退屈で堅物な男と評されるせいだ。そんなある日、彼はパーティで一人の女性に引き合わされた。つややかな黒髪と、まるでキスを誘っているかのような唇。その女性が奔放と噂されるダイアナだと聞き、ネヴィルは驚いた。ネヴィルにダンスに誘われ、ダイアナは思わず同意した。華麗な動きで彼女をリードするハンサムな男性は、真面目すぎてやぼったいと評判の准男爵とはとても思えない。だが私には恋をする資格はない――あの秘密があるかぎり。
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Posted by ブクログ
ダイアナはお利口さんで闊達で最初から最後まであまり変わらないんだけど、ネヴィルが堅物でひねくれた人物から経験を通して変わっていく様が大変楽しい。
やりてのヒロインがこのひとの作風なのかな。よいことです。
堅物ヒーローの冒険ラブコメ
5星といわず、10星つけたいところ。
個人的にはハーレクインはヒストリカルしか読みませんが、私のハーレクインではトップ5に入ります。
ヒロイン主役というより、ハーレクインには珍しく、実は生真面目で堅物のヒーローらしからぬヒーローが主役である様な。。。
ユニークな彼目線での周りの人々への冷笑、自分の意に反して社交界一の皆が憧れの美女に恋に落ちてしまう過程、シリアスな事件に巻き込まれても正義のため、ヒロインを守るため、段々たくましくカッコよくなっていくのが、リズムよく書かれていて一気に読めました。
悪党をやっつける勧善懲悪の冒険のお話に、惹かれ合っている二人の適度に離れたり喧嘩したり、でも素直にラブラブな恋愛模様が織りなされ爽やかです。
ヒーローの愛の告白も、天然らしい彼というのか、普通の会話でさらりと素直に喋ってしまい、ヒロインも不意をつかれてドキッとしたりと、微笑ましい。
ハーレクインに珍しく濃厚な場面がありませんが、歴史的背景あり、犯罪事件あり、冒険あり、ロマンスありで最高に物語が面白いラブコメでした。
最後に、レビューの一つにも書かれていましたが、本当「表紙と題名に騙されて読まないでいるのは勿体無いです。」に同意です。
原題は”The Daring Duchess”(単語直訳:向こう見ずな公爵夫人)が何故「愛の革命」の邦題になったか不思議で、魅力的な本がこの邦題で埋もれたのではと憂います。