あらすじ
アラブの海で古代の沈没船を調査していたベルは、何者かに誘拐され、孤島に幽閉された。ついに死を覚悟した嵐の夜、海賊さながらの勇者が現れ、窮地を脱する。クアルーム国の君主ラフィークだと名乗ったその勇者は、ベルに不可解な申し出をした。「きみはしばらくぼくの宮殿に滞在するべきだ」魅力的すぎる彼と深くかかわることに気後れを覚えて、ベルは即座に断ったが、彼は容易に引き下がらなかった。若き王には彼女を引き止めなくてはならぬ事情があったのだ。★期待の新星、アニー・ウエストがシークをヒーローに据えて書き上げた作品で日本デビューを飾ります。★
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Posted by ブクログ
面白かった。
本のあらすじ紹介に「ヒロインがアラビアンナイトの世界をさまよった」という表記があるが、まさにその通り。
読んでいる自分も彼女と一緒に、灼熱の砂漠の国を舞台に摩訶不思議かつ、めくるめく体験をしているような気分が味わえた。
タイトルに「略奪愛」とあるけれど、内容的にはあまり関係ないかもしれない。
ヒーローは傲慢でもなく、冷酷でもなく、男気を持ち誠実で優しいーまさに女性の理想を具現化したような男前である。
このヒーローのように、一点の曇りもないキャラは珍しいのではないか。大抵は砂漠の国王とくれば、イケメンでも冷酷だとか、俺様だとか、何かと一つは欠点があるもので、そんなヒーローがヒロインの愛によって最後は良い方に変わるという筋書きが多いように思う。
その点で、このヒーローは最初から最後まで、申し分のない「ヒーロー」であったといえる。
また、ヒロインも父親に愛されなかったという過去を持ってはいるものの、純粋で優しく誠実という点ではヒーローと同じく、欠点らしい欠点はない完璧キャラだ。
お似合いの二人がこれからも幸せに暮らすことを願いながら、ページを閉じた。