あらすじ
夏の夜の大都会――まばゆい灯のかげに街があり、夜空の下でうごめく暗い生活があった……。闇を引き裂く何者かの兇弾が、87分署の刑事たちを次々と倒していった。果して警官嫌いの狂人のなせる業か? 同僚刑事たちの胸は憤激で燃え上った。探偵小説に新生面を開いたシリーズ第一作!
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Posted by ブクログ
87分署シリーズ第一作。三人の警察官が殺され同一犯による連続殺人とされた。同僚を殺された87分署の刑事たちが犯人逮捕のために捜査を続ける。
1人の刑事による推理を元にした捜査ではなく、刑事たちのチームによる捜査を描く。現実の警察の捜査を感じさせるリアルな物語となっている。
刑事たちの会話が多く、そこにユーモアや時代背景なども描かれている。新聞記者の暴走により事件が大きく動く。一つの可能性としての捜査方針が、真犯人とっては真相に導く大きな方向性であった。刑事スティーヴ・キャレラの恋人テディに真犯人が近づく。これに気付いたキャレラがテディのもとに向かう。
本命の被害者をカモフラージュし、警察官の連続殺人と誤解させるために他の刑事をも殺した犯罪だった。テディは助かりキャレラと結婚し新婚旅行に向かう。
Posted by ブクログ
ニューヨークモデルの架空の都市を舞台にした刑事シリーズ、87分署の一作目。
おもしろかった。
本格モノが好きなミステリファンにはちょっと物足りない(解決が唐突過ぎて…)けど、警察組織と刑事と都市を主人公にした小説としてはかなり楽しめた。この都市の茹だる様な暑さ、嫌気がさす様な熱波、市民が暑さに参ってる描写がほんとにすごくて、面白かった。読んでる間中都市のもわっとした不快な暑さを感じ続けてた。
ミッシングリンクものといえばそうなんだけど、やっぱり解決が唐突すぎるなぁ、とは思ってしまった。刑事ものだから納得感はあるんだけど。
読みながら、やたら刑事の妻だの母だの彼女だの、個人的な人間関係の描写が細やかだなと思ったけど、大きく見たらこれも伏線みたいなもんだったんだねー。