【感想・ネタバレ】ひとりも、死なせへん  コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記のレビュー

あらすじ

本当の敵は、ウイルスではなくて人間なんじゃないか。
「指定感染症2類相当から5類へ!」
「イベルメクチンを開業医の武器に!」
「ステイホームで高齢者を閉じ込めて認知症を悪化させている!」

…… 何か提案をするたび、「町医者のくせに」と叩かれ、
おかしな医者だと指さされた。
しかしこの人間が地域を守り、多くのコロナ患者を救ったのは、
まぎれもない事実である。

「僕がこの1年半以上言い続けたことが、ようやく実現に向って動き出す。
すぐに変わるとは思えない。だけど、これからも言い続ける。
コロナでもう、ひとりも、死なせたくない。ひとりも、死なせへん。
そのために僕は、もう少しだけ町医者として頑張ろう」

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人々の生活に密着した地域包括ケアの現実を、
コロナ分科会の専門家たちは知らないし、
為政者たちも町医者の意見に耳を傾けてこなかった。
だから、市民生活が破壊されることなどお構いなしに、
1年半以上にもわたって自粛を要請し続けることが平気でできるのだ。

本書は2020年1月より2021年8月の長尾和宏のブログから
主にコロナ関連の記述を抜粋し加筆、編集したものである。
一人の町医者の闘いの軌跡であると同時に、
日本のコロナ対策を振り返るための、貴重な記録にもなった。
まるで、カミュの「ペスト」のように。


もし、長尾先生の提言が間違っているというのなら、
より具体的で実現可能な対案を出すべきだ。
――鳥集徹 (本書解説より)

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Posted by ブクログ

今では懐かしい響きとなった「町医者」の矜持を感じさせてくれる魂の1冊。
日本の誇る「現場力」と対象的な医療行政•医療会、政治の惨状をあからさまに語ってくれた事に敬意と感謝をしたい。と同時に周りの人間にそれらを伝えていきたい。
巻末に載ってたアルフレッド•アドラーの【「誰かが始めなくてはいけない。見返りが一切なくても、誰も認めてくれなくても「あなたから」始めるのだ】を胸に秘めて…

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

長尾先生の本は今までも「平穏死」など読んでいるが、今回コロナに携わる町医者として日記というかたちで本にしている

こんな目が回るほどの忙しさのな中よく記録してあったものだ

「保健所」のあり方が長尾先生の患者さんを助けたいという気持ちがあるのにうまく機能しないもどかしさがヒシヒシと伝わってくる

生が「今に自分が死ぬだろう」と決死の覚悟で在宅医療を続けているのが本当に頭が下がる

「ヤイヤイ言って」やっと受け入れてくれたという記載がかなりあって「ヤイヤイ」言わないと動かないのかなぁとモヤモヤする

ワクチン後の死亡がニュースにならないのはおかしいし人数も曖昧だし、そもそもワクチンによる死亡というのは一件も認められていないとは。

こんな医師が近くにいる町に住みたい


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2023年01月02日

Posted by ブクログ

「祈っても詫ても、許してもらう機会などないのだから、下の者たちの恨みを買うことのないように配慮するべきだ」
黒田官兵衛

政治と現場の乖離の激しさ、読んでいてこちらがイライラする程の政治、メディアの対応でした。そしてこの、コロナワクチンの情報管理の杜撰さ。長尾医師と比較してしまうので、全く腹立たしい

この本の続きは、youtubeのABCテレビニュース、またはコロナワクチン検索なさってみてください。
長尾医師は、ずっと頑張ってくださっています。

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2022年06月23日

Posted by ブクログ

ニコニコ動画でこのお医者さんのことを知り、ドキュメンタリー映画を見てとても気になったので読んでみました。
泣きました。

こんなふうに生きることは私の理想かも知れません。
心の叫びがたくさん詰まってて、コロナ禍のリアルがあるのでぜひともたくさんの人に読んでほしい。そしてこんな考えを持つお医者さんが増えたらなあと、思ってしまいますね。

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2022年03月14日

Posted by ブクログ

兵庫県尼崎市で長尾クリニックを営む町医者・長尾和宏先生が、2020年1月に新型コロナ騒動がスタートしてからコロナ禍の中東京オリンピックが開催される2021年8月までの、約1年半の軌跡を記した作品。約400ページあり、ノンフィクション小説としても読める一冊であり、作中、長尾先生により「コロナ対策の間違い」「なぜ医療崩壊したのか?」などが語られる。日本のコロナ対策には認知症患者という視点が抜けている、新型コロナにおけるタバコの弊害など、誰も触れてこなかった部分に踏み込んでいて、いろいろ考えさせられた。

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2021年10月08日

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たった1人でコロナと闘ったお医者様のお話です。世間がまだコロナとの戦い方を知らない時に、庶民の命を救ってくれた。

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2025年06月30日

Posted by ブクログ

標準医療、一般的な療法から逸脱している気がして、更には、それをメディアやネットなどの露出によって助長、または、本人の知名度向上を目的とした何ともミーハーで信頼できない雰囲気ではないかと、雰囲気だけで予想していた自分を恥じる。反ワクだとか、イベルメクチンで新型コロナを完治できるとかは、そもそも発言していないし、長尾和宏氏本人もワクチン接種をしている。イベルメクチンだけでは当然なく、ステロイドもデカドロンも酸素やリクシアナを用いながら、冷静に最大限を尽くしているに過ぎないではないか。多少、裏付けに乏しい、臨床データが不足している点は否めないが、未知なウイルスに対峙する確かな経験と学識、善意がそこに存在した。

長尾和宏氏、父を鬱病による自死で亡くしているらしい。自身の生き方の哲学のようなエッセイが時折混じる。感情移入しながら読むと、何か底の見えない悲しみに抗っているように見えなくもない。

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2022年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 病気、急病、老衰、災害、事故、自殺・・・。その急病の中に「コロナ肺炎」がある。年間130万人亡くなる内に、コロナ肺炎での死亡者何10人かが含まれる。人工呼吸器を希望しないのに、「助けよう」という思いで挿管され、でも助からなかった人。 コロナ禍と闘う尼崎の町医者、551日の壮絶日記。長尾和弘「ひとりも、死なせへん」、2021.9発行。

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2022年03月17日

Posted by ブクログ

日本のコロナ対応について考えさせられた一冊。
町医者の著者が肌で感じたコロナ対応の真実。著者の日記のようなノンフィクションの話で本音で語られています。訪問診療や看取り医の多忙な毎日が記され、現場に行かなくても本書を読めばどんなに医療や介護の現場が苦しんでいるか、批判にさらされやすいかがよくわかります。あまり報道されていないことが多く書かれているように思います。
●著者の管轄ではこの1年でコロナで亡くなった方はいない
がんや老衰などで亡くなった方しかいないとのこと。このことから、がん検診をコロナを理由にして受診控えすることはリスクが大きいと主張されています。

●おひとりさまの認知症の方のコロナ対応という視点
「感染しているから歩きまわらないで」の指示を3分後に忘れ徘徊する認知症の方。街のひとからしたら「勘弁してくれ!!」と感じると思います。でもそれはコロナが2類感染症扱いだから。著者は5類になればもっと柔軟な対応ができるとしています。おひとりさまの認知症の方の対応という視点考えたこともなく、現場の声を世論に届けることの難しさも感じました。

●自宅療養を基本にというけれど
自宅療養?急変したらどうするの?と感じていましたが、それは著者のようなもしものときに往診してくれるような医療体制のネットワークを感じられていないから。わたしの地域は何が足りないんだろうと考えさせられました。

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2021年12月09日

Posted by ブクログ

尼崎市の町医者である長尾和宏先生のコロナ禍の日記である。

新型コロナウイルスもそもそも人間の自然破壊によってモンスター化したウイルスでは…に確かにそう思わざるを得ない。

コロナが蔓延してから日本は遅い、筋違い、中途半端の三拍子がそろっているので見ていられない。
これも同感だ。

災害は常に弱者を襲う。高齢者や貧困家庭など。

2020.8.2の在宅医療の日記は、涙した。

2021.1.1の自分にエール。そうしないとやっていけない現状。厳しい現状。体力、気力がいると思った。

こんなに長くコロナが続くと誰が思っただろうか。
そして今、3回目のワクチン開始の声…。
本当に終息したのか…。

まだまだ、スッキリとは終わらないであろうが、
この壮絶日記で振り返りながら終息を願う。

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2021年10月30日

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