あらすじ
社長令嬢ギャビーはハンサムな夫ベネディクトと、海に臨む邸宅で、誰もがうらやむ豪奢な生活を送っている。だが、夫が会社のために政略結婚したのは周知の事実だ。どこか距離を置く夫の心をつかみきれないギャビーは、ベッドの上でしか愛されない悲しみを氷の仮面で隠してきた。そんなある日、モデルとして成功した継妹が町に帰ってきた。昔から何かとギャビーを目の敵にする美貌の妹は、ベネディクトを奪ってみせる、と不敵に微笑んで告げた。こみあげる嫉妬と不安にギャビーは苛まれて……。
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Posted by ブクログ
ヒロインが、自分はいつか離婚されるんじゃないかという不安感と、夫が義妹の触手に陥落するんではという不穏な空気が終始漂っている
ヒロインの独白だけなので、夫の心情は文脈からしか分からないもどかしさが、よけいに先へ先へと読ませる
精神衛生上最悪な、継母や義妹との “キツネとタヌキの化かしあい”にも果敢に立ち向かうヒロインのタフさは見事
Posted by ブクログ
素敵な作品でした。
お互いに政略(ビジネス)結婚で結ばれた夫婦だと思い込み、特にヒロインは自分たちの間にあるのは体の繋がりだけだと思っていた。
でも、夫を愛している妻は魅力的な彼から愛されたい。
〝愛している〟の一言を彼から聞きたくて、ギャビーは葛藤を続けます。一方、実は夫のベネディクトも妻と同じようなことを考えていました。
互いに愛し合いっているのに、なかなか素直になれない二人のもどかしさがよく伝わってきます。
最後にベネディクトが〝愛しているよ、君は僕の太陽だ〟、ギャビーに告げたところで物語りは終わります。
身近にいるからこそ、素直に気持ちを伝えられない、〝愛している〟のただ一言が言えない―、夫婦の間にある現実的な問題をリアルに描いた秀作です。