【感想・ネタバレ】ダリア・ミッチェル博士の発見と異変 世界から数十億人が消えた日のレビュー

あらすじ

ダリア・ミッチェル博士によって発見された謎のパルスコードは、高度な知性を持つ銀河系外の生命体が送信したものだった。
それは地球人のDNAをハッキングするコードであり、その結果、世界から数十億人が消失した。
パルスコードとは、いったいなんだったのか。
そして、消えたひとびとはどこへ行ったのか。
パルスコードの発見から5年。ジャーナリストのキース・トーマスが世界を変えた出来事の意味を明らかにする。
ミッチェル博士の私的な記録とアメリカ前大統領へのインタビューをはじめ、世界を変える現象に立ち向かった対策チームの機密記録、関係者へのインタビューをまとめた一冊が遂に刊行。

ファーストコンタクトをノンフィクション風に綴った、異色のモキュメンタリーSF。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

全編にわたって、会話の書きおこしとインタビュー的な文体が続いており、大変読みやすかった。
主人公のダリア・ミッチェル博士が偶然宇宙からのパルスを発見し、パルスのDNA再編成機能によって人々が「上昇」し、世界が崩壊するという感じの話。

脱落も含めて上昇したのは世界人口の約1/3とのことで、残った2/3の人々は、結局各々の人生を続けるしかない。
そういう面では、インフラの復旧すら進まない世界で、動植物を育てたり創作活動をしたりすることに娯楽を見出しつつ生きることのできる人間の適応力は凄まじいなと思える作品だった。

このご時世、どうしてもコロナ渦を連想してしまうけれど、なんだかんだで混乱しつつも、おおかたの人はそれなりに適応して生きているし。

また、主要人物が大体上昇せず残ってる一方、枝葉の人物はほぼ途中で死んでるのは、若干ご都合主義感があったりする。

ラストの展開としては、あまりまだ消化出来ていない。
脳が改変されて優越者に耐えうる容器となったはいいものの、結局優越者は大昔に滅んでいて、じゃあ上昇者たちはダリアが見た別次元?にとんで、その後は?ただそこに存在するだけの何かになるのだろうか。
そこそこトンデモ感はありつつ、一応論理的に進んできた話なので、最後ももう少し固めて欲しかった気がする。
専門家委員会からの大統領演説草案作成も、その結論に到達してしまった意見に対して一応の一貫性が感じられるだけに。

まあSFなので細かいことを考えるのは不毛だけれど。文章量に対して、思ったより全然サクッと読めてよかった。

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2022年02月17日

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