【感想・ネタバレ】戦後民主主義に僕から一票のレビュー

あらすじ

雑誌・新聞掲載原稿、解説、講演を大幅加筆修正、書下ろしを加え、未来の日本がどのような変化を遂げていくべきか、日本の根幹を創る「民主主義」「政治」「憲法」「教育」の4項目について論じる、内田イズムが詰まった1冊。

戦後民主主義の価値観はどのように生まれ、どのような変遷をたどったのか?
「戦後民主主義」の含意は、さまざまであるが、日本国憲法に示された主権在民、平和主義、基本的人権の尊重、また教育基本法が背景にあることには誰しも異論がないだろう。占領下に生まれた戦後民主主義はこれからどこへ向かうのか? 日本の国の根幹を支える「民意」の反映は、もう失われてしまったのか? 道徳的「インテグリティ」が欠如する政治、日本社会が「株式会社化」する民主主義、沈黙の憲法制定過程問題、貧して鈍して劣化する教育。

日本の未来を創るうえで最重要となる4大イシューを取り上げ、日本を代表する論客が日本のイディオクラシーを批判するとともに、この国の未来を問う。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

武田鉄矢さんのラジオを聞いていると、内田先生の話がしばしば。ずっと気になっていた人だけど、やっと一冊手に取ることになりました。民主主義とは何か、株式会社と民主主義、アメリカとの関係と護憲の問題、リバタリアニズム、それと大学の話。自分の考え方がいかに薄っぺらな表面的なものなのか、改めて考えさせられる一冊でした。先生は「皆が言っていないようなことを言う」と本人がおっしゃっているけど、確かに。根っこにこういうもんだいがあって、そこから考えると見える姿も変わる。もう少し色々勉強したいと思わされる深い内容でした。そして、株式会社と民主主義を改めて考える機会を持てたのは、自分にとってとても良いタイミングだったような気がします。

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の鋭い洞察は、現在の日本社会の成り立ちについて改めて眼を見開かされる思いがする。例えば、日本国憲法について、「本来は存在 しない 9条と自衛隊の葛藤を苦しむという不思議な病態を演じることを通じて、日本人はその疾病利得として世界史上 例外的な平和と繁栄を手に入れた」と喝破し、兵隊にとられた我々の親世代が「子供たちには戦争犯罪について何の責任もないのだから、戦争の醜い部分は自分たちの心に封印して墓場まで持って行くのが戦後生まれの子供たちへの贈り物」と考えていたとの推察も、良い悪いは別として強く同感する。また、大学については、91 年の大学設置基準大綱の目的は18歳人口の減少の結果、増えやしすぎた大学を淘汰する必要にせまられた政策の一環で、「グローバル化度」という一方的な基準によって大学の格付けを行って市場原理による淘汰を期するという見方も、「なるほどそうだったのか」と妙に納得するとともに、改めて怒りが湧いてきた。

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2022年01月05日

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