あらすじ
コロナ禍において再び大きな反響を呼んだ小説『ペスト』の作者アルベール・カミュ。彼のアルジェリアでの生い立ちから、パリでのレジスタンス活動、『異邦人』『ペスト』など代表作の執筆過程、プレイボーイとしての華麗なる女性遍歴、サルトルとの論争、ノーベル文学賞受賞の経緯、自動車事故という悲劇的な最期など、波瀾に満ちた生涯と思想・哲学にせまる。フランスを代表する作家の決定版的評伝。
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Posted by ブクログ
大学生の時、よく読んだカミュ。当時はサルトルに敗北した形をとったとは知らなかった。カミュ=サルトル論争を読んだときには、サルトルの言っていることのほうが良く分からなかった(個人的にサルトルの著作は読もうと思っても解読できない)。そう、当時は共産主義という政治へのコミットが重要な位置づけとなっていたからで、資本主義しか残っていない現代ではカミュは普遍的に見える。カミュはまた地中海世界におけるキリスト教からの脱却を図っている。大学生のとき読みふけったのも、キリスト教的世界観からの脱却を図っていたという点で一致していたのだな、と。読み直したくなった