あらすじ
その国に辿り着いたわたしを出迎えてくれたのは、カンノン様のありがたい巨大な微笑だった――。人生を一からやり直すため、長年憧れ続けた日本へ赴いた私立探偵トウキョー・サム。そこは、伝統と現代が奇妙に交錯し、神とホトケ、そしてサムライ・スピリットがいまなお息づく神秘の国であった。異国の風物や習慣に驚嘆し、戸惑いながらも、真のサムライにならんと意気込むトウキョー・サム。そんなサムが遭遇した奇妙なセップク事件、茶室の密室、オイラン見立て連続殺人! 徹底した趣向とアクロバティックな論理の結実が、本格ミステリのさらなる可能性を切り拓いた、山口ミステリの真骨頂。日本推理作家協会賞受賞作。
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Posted by ブクログ
なんというか...思ってたのと違う。
いやまぁ面白いは面白いんだけど、問題は「詫の密室」。密室だと思ってワクワクしてたら結局解決してねぇじゃん。
設定は面白いし、それ以外の2作はそこそこ面白いだけに勿体ない。ただやはり期待外れ感は否めない。
Posted by ブクログ
アメリカ人によるオリエンタリズム的偏見の「風変わりな日本」を舞台とする3つのミステリ連作短編。現代なのにサムライ、ニンジャ、オイランが普通に存在し、切腹したり心中したりする世界で、ジャポニズムにかぶれたアメリカ人探偵が殺人事件に次々と巻き込まれていく。文体がいかにもあやしげな外国製「日本文化論」の翻訳調なのが笑える。世界観はぶっ飛んでいるが推理自体は緻密(2話目の「侘の密室」はある意味禁じ手だが)。