あらすじ
東京の商店街育ちの新井和也は、大学卒業を間近にした冬、家族の危機に直面する。そこで急遽、就職の決まっていない和也が、家業の新井クリーニング店を継ぐことに。同級生たちの新しい門出に沸く春、不慣れなクリーニングの集荷作業で、お客さんから預かった衣類から思わぬ謎が生まれていく。同じ商店街の喫茶店で働く沢田直之、店のアイロン職人・シゲさんなど周囲の人々に助けられながら、失敗を重ねつつも謎を解明していく和也。商店街の四季を通じて和也の成長と、人の温かさをさわやかに描く、連作集。青春ミステリの決定版。
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Posted by ブクログ
ずっと気になっていた作家さん。やっとご縁がありました。
とある商店街のクリーニング屋の息子和也と、その友人沢田が、商店街に起こる日常の謎を解いていく日常系ミステリー。
謎解きについては、なるほど~と言う感じ。
誰も傷つく人がいない出来事ばかりで、面白かったです。
それよりもこの本の魅力は、登場人物たちと、その周辺のエピソード。
家業のクリーニング屋を手伝うことになった和也が、仕事に自信と誇りを持つようになり、成長していく感じが、とにかくいい。
ちょっと謎めいた沢田、アイロン職人のシゲさん、大学の同級生糸村さん、クリーニング店のパートの松竹梅の3人のおばさん、マジシャン渡辺さん、離婚調停中の河野さん、etc
私の住む地域ではあまり見られない商店街の繋がりなど、いいな~と思うこともたくさんありました。
タイトルの「切れない糸」、最後にわかります。
装丁も凧糸つながり、やられた感いっぱいです。
Posted by ブクログ
日常ミステリー
装丁が素敵
商店街は小さな規模のプロフェッショナル集団…まさしくそうだなぁと思った
和菓子のアンと少しだけリンクしてるので両方読むと更に楽しめるかも
Posted by ブクログ
2017/9/5
おもしろかった。
最後の話でシゲさんが煩わしそうにしてるように読めたのがちょっと謎やったけど。
煩わしがってたのじゃなくて恐れてたの?
彼女の匂わせ方もちょっと違和感あるし、最後の章はちょっと引っかかったな。
でも出てくる人みんな好きになれるのは貴重。
ほんわかした。
ちょっと待って!梅本さんが和菓子の杏ちゃんのお母さんか!キャー
Posted by ブクログ
デパ地下の、和菓子屋のアンちゃんの物語を読んで
物語の雰囲気や文章の流れ、言葉の選択、
なんとなく気に入って、続けて読んでいます。
今回は『切れない糸』
子供の頃から困った動物や人が「困り顔」で寄ってくる
不思議な運命の主人公。
突然の父の死で、つぐ気持ちもなかった
商店街のクリーニング店を継ぐことに。
はじめは成り行きで、他の未来にも未練タラタラ。
しかし、家族や従業員、大学時代の知人に
助けられながら、困った事件を解決してゆくことに。
3冊目のなる「坂木司」さんの本ですが
やっぱ好き!いい感じです。
ほろり具合がいい、謎解きがスパイシー、
人の背景も魅力的。
登場人物がそれぞれに魅力的で、嫌いになれない。
ほっこりほんわかな物語。
さて、次の作品は?