あらすじ
初秋の一夜、銀座をそぞろ歩く大江白虹と折口幸吉は、奇禍に遭った妙齢の女性、笹本芳枝を助ける。聞けば数日来怪しい影に悩まされ、ために夫の静雄は病みついてしまったという。乞われて大江、折口の両人が乗り出すが、時すでに遅く、緑衣に身を包んだ賊の魔手が静雄に、そして芳枝に……。事件の表舞台は東京から伊豆半島の海岸、紀州城山へと転々、恋愛模様を彩りに風光明媚な地で展開される犯罪は、いまひとりの探偵、乗杉竜平の登場を得て漸くその全貌を見せる。海外の名だたる古典を日本の土壌に移し、見事に開花、結実させた翻案小説の傑作。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
なんという面白さでしょう。
「ひょっとすると、これは日本にも西洋にも、犯罪史上に類例のないような事件ではないかと思うのですよ」(p212)
乱歩さん煽ります。自分でハードルを上げまくります。
犯人はどうやって消えたのか?
「われわれは犯人も、犯罪の目的さえも、ほんとうにはわからないと云った方が正しいのですよ」
今回登場するのはいつもの明智小五郎ではなく、乗杉龍平?という初めて聞く探偵さんでした。
魅力的な謎。
張り詰められた伏線。
そして意外な結末…。
これぞミステリーですね。
われわれはすぐに次の作品が読めるという幸せを噛みしめるべきでしょう。
Posted by ブクログ
小学生の時と社会人になって数年後くらいに読んだことがあったのだが、今回もきれいさっぱり忘れていてとても楽しめた。ご都合的なところもあるけれど、きちんと張ってある伏線、効果的な場所の移動が印象に残った。幕切れもあざやか。
Posted by ブクログ
影に襲われる女性を救った探偵小説家・大江白虹と新聞記者・折口幸吉。笹本芳枝の夫・静雄の命を狙う緑衣の男。芳枝に呼び出された折口が発見した静雄の遺体。直後に何者かに殴られ気を失った折口。消えた遺体。誘拐された芳枝。劉ホテルに泊まる謎の男。ボーイが発見したトランクに詰められた芳枝。芳枝の伯父・夏目菊太郎の元を訪れた折口。菊太郎の息子・太郎。緑にとりつかれた太郎を緑衣の鬼と判断する警察。
Posted by ブクログ
「赤毛のレドメイン家」の翻案作品。赤毛~の方の内容をすっかり忘れてしまっていて、普通に楽しく読めましたw
翻案系の作品はやはり、微妙に原作に引っ張られるのか、乱歩らしい味が微妙に薄れますね。
Posted by ブクログ
子供のときに大好きで夢中になって読んだ話。あらためて購入し、読み直してみると、少し物足りなさを感じてしまった。でも、江戸川乱歩の書くおどろおどろしい世界は大好きで、沢山の本を読んでいきたい。