あらすじ
文豪ポオによって誕生した推理小説は、それから半世紀、シャーロック・ホームズの登場によって、いよいよ新時代を迎えるにいたった。ホームズは世界中の国語に訳され、無数の模倣者を生んだ。しかしホームズの前にホームズはなく、ホームズのあとにホームズはない。シャーロック・ホームズこそは名探偵の代名詞であり、推理小説そのものである。本書は処女短編「ボヘミアの醜聞」を筆頭に全十二編の傑作を収めた不滅の第一短編集。集中の「赤髪連盟」「唇のねじれた男」「まだらの紐」などは、推理小説史上にさん然と輝く名作中の名作である。
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Posted by ブクログ
シャーロック・ホームズの観察眼はとにかくすごい。ほとんど読み進めないと、解決がわからなかったが、最後の娘さんの分などは、これまでの蓄積のおかげだったのか、少しだけ謎解きができるようになっていた。日頃からちょっとした観察を心がけたいと思ったり。推理小説は、時に残酷な感じもあるけれど、それでも謎解きはワクワクするものだなあ。
Posted by ブクログ
全12編を収めた短編集。
~収録作品~
*ボヘミアの醜聞*赤髪連盟*花婿の正体*ボスコム渓谷の惨劇*五個のオレンジの種*唇のねじれた男*青い紅玉*まだらの紐*技師の親指*独身の貴族*緑柱石宝冠事件*ぶなの木立ち
今までまともに読んだことはないものの、聞いたことのある代表作がいくつも含まれていて、何て豪華な短編集。
多くの人に読まれ、読んだことはなくともその名はあまりにも有名、名探偵の代名詞的存在。
ミステリ好きで本屋に勤めているくせに、ようやく読んだ、彼の冒険のかけら。
すっかり彼の語りに、所作に、夢中になってしまった。
なんて、カッコいいんだろう。
カッコイイ!ホームズ!
依頼人が事務所に入って来、座っている姿を見ただけで、その人の職業やその日の行動もズバリ言い当ててしまう彼の観察眼は、感嘆もの。
そして、彼に欠かすことの出来ない相棒、ワトスン。
推理に関しては度々ダメだしをされながらもホームズから絶対の信頼を得ている医者の彼。
「ぼくの友人といえばきみひとりだよ」(五個のオレンジの種)とホームズに言わしめる存在。
今回の短編集では、ホームズがワトスンを語った言葉が印象的でした。
(唇のねじれた男)
「ワトスン。きみは沈黙というすばらしい天分をもっている」と彼はいった。
「だからきみは、ぼくの親友になれるのだ。」
「では、ワトスン、これから事件のいきさつをわかりやすくまとめて話すよ。そうすれば、ぼくが暗中模索していることのなかから、きみがなにか光明をみつけてくれるかもしれない」