【感想・ネタバレ】本牧亭の灯は消えず 席亭・石井英子一代記のレビュー

あらすじ

日本最後の講談定席として惜しまれつつ平成二年に休場した東京・上野の本牧亭。その席亭を務めた著者が四十二年間の軌跡を振り返る。家族ぐるみで交流した芸人達の素顔、伝統話芸を守らんと試行錯誤を重ねた日々。江戸っ子の爽やかな人柄がにじむ「おかみさん」奮闘記。




目 次



序 章 雪の夜の楽屋

第1章 生い立ち

第2章 娘時代の私

第3章 戦中から戦後にかけて

第4章 本牧亭再興

第5章 寄席の経営

第6章 父のこと

第7章 『巷談本牧亭』のこと

第8章 中国旅行

第9章 鉄筋ビルの寄席に

第10章 休席の顚末

第11章 講談の灯は消さない

第12章 人との縁

終 章 幸せな星の下に

あとがき



文庫版あとがきにかえて 清水孝子



年 表

本書に登場する主な講釈師たち



〈対談〉本牧亭がつないだ講談の昔と今 宝井琴調×神田伯山

〈解説〉客と演者とおかみさん――本牧亭をめぐる人間模様 長井好弘



人物索引

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Posted by ブクログ

講談専門の演芸場として、昭和23年から平成2年まで東京は上野にあった、「本牧亭」。本書はその2代目席亭である著者による、半生記と本牧亭の興亡を当時の芸人たちのエピソードを交えて記している。

なお、本書は長く絶版となっていたが、2021年に文庫化されて復活。復活の功労者は現在の人気講談師、六代目神田伯山(旧名松之丞)だと思われ、本書巻末にも伯山と別の講談師宝井琴調に、著者の娘を交えた鼎談が掲載されている。

私も伯山が本書のことを自身のラジオ番組で紹介していた経緯で読んでみた次第。

講談がある程度好きで、普段から聴いている人でないとなかなかとっつきにくい内容ではあるが、伯山人気のおかげで講談を聴く人も増えたように思うので(私もその一人)、ある程度講談を聴いて、興味を覚えたらぜひ本書も読んでいただきたい。

なお、伯山自身は常日頃から、本牧亭のような講談の定席小屋をいつか復活させたいと言っているので、いつかそれが達成されることを強く期待する。

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2022年05月05日

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