あらすじ
なぜいま、哲学で「人間」が大きな問題となっているのか?
本書では、「思弁的実在論」「加速主義」「新実在論」といった話題の現代哲学を解説しながら、その論点をわかりやすく整理。AIからゲノム編集・機械化による人体改造、そして気候危機に資本主義まで。私たちが直面しているテクノロジー時代の具体的な問題を踏まえ、現在起こっている「思想の地殻変動」を鮮やかに描き出す!
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Posted by ブクログ
いつも岡本さんの本は面白くてわかりやすいなと感心しています。ポストヒューマニズムの思想を3つの思想の観点から紹介していて、ポストヒューマニズム入門書の決定版ですかね。
Posted by ブクログ
ポストヒューマニズムに関してその概要や源流、今後ありうる発展の方向を掴むことのできる本
そのため、ポストヒューマニズムをまだ知らない人や、初心者にオススメ。
Posted by ブクログ
ハラリに触発された形で、ポストヒューマニズムという脱人間中心主義の観点から、ニックランドに始まる加速主義、さらにそこからの影響圏としてのメイヤスーの思弁的実在論、そしてヒューマニズムへ回帰する新実在論のガブリエルまでを明快な説明で解説した一冊。
ニックランド、特にマークフィッシャーには非常に興味はあるけど、個人的にはガブリエルのヒューマニズムが自分としては腑に落ちるし、息の長い思想に感じる。
ポストヒューマニズムにより人間不在の世界を論じるのは、当然ながら、結局はヒューマニズムに立ち返らざるを得なくなるのではないか。論点先取りとさえ感じられる。
マックスシェーラーやエルンストカッシーラーが近代の「人間」の位置を定めた本を書いたように、僕らは改めてテクノロジーが充満した世界での人間の定位を見極める時代に来ていると思う。
Posted by ブクログ
加速度的に進化するAIの時代に、ポスト・ヒューマニズムを考える重要性が高まっていると感じる。
新実在論と思弁的実在論の対比について、ヒューマニズムへの対応という視点での整理は非常にすっきりした、ヒューマニズムを固守するという新実在論の昨今の人気について、なるほどと感じた。
加速主義については、民主主義や平等ということ自体に明確に拒否するという視点から理解を進めると、分かりやすい。残念ながら?、納得もする自分がいる。
また、加速主義については、もとより関心があったが、さらに、より深く理解したいと思い、別の書を探したいと思う。
Posted by ブクログ
2025.01.19 なかなか読み応えのある新書だった。ポストヒューマンの時代を自分自身はどう考えていくべきか。ちょっと頭を使わないと。難しい問題だ。
Posted by ブクログ
思弁的実在論、加速主義、新実在論の3つを概説してくれるのは良かったけど、そんなにわかりやすい説明とも思えなかった…まあ、これは仕方がないとも思いますけど。
それよりも、この3つをポスト・ヒューマ二ズムという視点から見通す必然性があまりないというか、そんなに面白くないというか、だから何なのというか…ポスト・ヒューマン思想はむしろ他の思想と大きく論点を共有しているだろうし、何故この3つを選んだの?
ラトゥールがちょっと出てきただけで科学論にもほとんど触れられないし、いろいろと足りなさすぎだと思いました。
なので、読み捨て本(情報誌)として割り切って読むタイプの本かもしれません。