【感想・ネタバレ】自己責任という暴力――コロナ禍にみる日本という国の怖さのレビュー

あらすじ

長いことテレビ報道の第一線で社会問題に対面しつづけた著者は、現在のコロナウイルスに見舞われた日本人の心理的対応のなかに隠された怖さを見出す。パリ支局長時代に経験したイラク人質事件に見られた日本人の「自己責任」という名の官民あげての暴力的なバッシングは、世界の目からは異常な日本人の心性として目に余るものと見られた。海外でそうした批判や疑問を身近に目撃した著者は、「同調圧力」「自粛警察」などのいまにいたるも変わることのない日本人の精神的な抑圧構造を見抜いている。日本人とは何かを根底から問う警世・警告の書。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 著者が長年温めてきた論説文であり、副題の「コロナ禍にみる日本という国の怖さ」とあるが、イラク人質事件を通して日本人が「世間」という枠組みを無意識にのうちに形成する怖さを浮き彫りにしている。特に当時の為政者の「世間」を形成する国民性に同調して、いや活用して国政を操る様子に恐怖さえ感じる。
 本書を手に取る方は「世間」に対して「違和感」を「感じていることと思う。大多数の方が「違和感」を感じているとすれば、いや感じていると思うが、ぜひ一読してほしい一冊だ。

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2020年11月19日

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