あらすじ
編集者・月子は担当の恋愛小説家・夢宮宇多との恋と仕事に悩んでいた。そんな折、ベストセラー作家が真夏にもかかわらず屋外で凍死体となって発見される。アンデルセンの「雪の女王」の読み解きから、夢宮は真の犯人を突き止めていく。
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幸いにも雪の女王は読んだことがあったので、予備知識はありました。
このシリーズは、夢センセによるおとぎ話の解体、新解釈が面白いのですが、今回は編集者側のお話があったのが良かったです。ロマンスもあってドキドキさせてくれるのも◎。ミステリもありロマンスもありっていうのは、つまり夢センセは森先生のことなのでは?(笑)
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今回の童話のテーマは「雪の女王」。そして、夢センセと月子のコンビも解散かと思ってましたが「最後の嘘」にそんな仕掛けがあるなんて、素敵なラストでした。
事件の方は切ない展開でしたが、月子の英断が格好良かったです。
このシリーズも好きなので、続編読みたいです。
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童話・雪の女王になぞらえた殺人事件を紐解いていく小説家と編集者。
事件を通して月子と夢センセの思いがゆっくりと雪解けていく終着点にあたたかさを感じました。同時にふたりが歩み出したその先の物語も気になる。一歩踏み出したふたり、見たいなあ!
登場人物の関係性だけではなくミステリ要素もある内容で、物語の裏の裏まで緻密に考えられている作品。この物語にも森先生の裏のお話やメッセージがあるのかなって思わず深読みしちゃう。それくらい童話の設定を丁寧に分析されていて実際の童話も読みたくなっちゃった!
恋愛ミステリ、素敵な分野です。
Posted by ブクログ
とある有名な恋愛小説家が真夏の朝に、凍死体として発見された。死ぬ直前に、傑作が出来たと編集者達を騒がせていたにもかかわらず…。各出版社が、こぞって原稿資料を探す中に月子も加わっていく。
月子が編集者として成長している事が分かるし、月子の思考が夢せんせいに似て来ているように思った。事件を解く鍵は、アンデルセンの『雪の女王』。今回の一冊で、1番好きな童話が取りあげられてて嬉しかった。
Posted by ブクログ
登場人物それぞれの思惑、強気な発言に振り回されながらも、月子が成長していくのが分かった。事件の真相が分かっても、どこか切ない中でその成長過程に救われたような気持ちに。
タイトルにある「嘘」
「嘘も方便」と言うし、ついていい嘘とそうでない嘘があると私は思っている。ついてはいけない嘘はかえって自分の首を絞める。読後にそんなことを考えた。
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なかなか興味深い結末だった。
夏に凍死というぶっ飛んだ設定を持ってきたけど凍死が肝なのではなくそこから雪の女王につなげるためのものでトリックよりも背景に重きを置かれたミステリのような恋愛小説。
この作品に出てくる作家がまさに書くような作品
2022.1.22
9
Posted by ブクログ
シリーズ3作目にして最終巻。
童話をテクストとして解き明かすことで、事件を解明していく。
今回はアンデルセンの『雪の女王』
作中の季節は夏なのに、事件の死因が凍死、カバーイラストのイメージカラーの赤がクリスマスのようで、読んでいる間中、冬に迷い込んでいるかのようだった。
事件の真相は「せつない」だけでは言い表せない。禁断を表すときの果実や花は何故赤なのだろう。カバーの色は禁断を表す赤をイメージしているのだろうか。
月子と夢センセの関係も、これで終わりと思いたくないほど。
読者の中で、夢センセと、センセに振り回されながらもしがみついていく月子の二人の関係がいつまででも続いていくことを願う。
できれば、続きを読みたい。
Posted by ブクログ
このシリーズ、やはり読みやすくて面白い。
おとぎ話の解体だからかしら。
とても楽しく読みました。
犯人も真相も切なかったけど、センセと月子ちゃんの関係性だけが救いのようでしたね。
それにしても雪の女王、うちに絵本はあった気がしたけど、ちゃんと読んだ記憶がないので気になりました。今度読んでみようと思います。
Posted by ブクログ
最終回?の割になんか締まらなかったなぁと思ってしまった。森さんのいつも通りの物語の解体は面白かった。自分自身、読みやすいミステリ自体そこまで好きではないからちょっとあっさりしすぎたのかも。途中まで読むとなんとなく展開が見えてきてしまった。真夏の凍死って言うから、もう少し派手なのを期待していました。ミステリって難しい。