あらすじ
仙台、杜乃宮大学・法医学教室。解剖技官の梨木楓は、上司で准教授の今宮貴継とともに警察から届く死体を日夜、解剖する。彼らが直面するのは、沼の中の顔面破壊・手足切断の死体、温泉での不審死体、ひき逃げされ放置された女子高生など悲惨な人間の最期だ。事故か、殺人か。二人は細胞の一つ一つまで検分し、犯人さえ気づかぬ証拠にたどり着く。
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Posted by ブクログ
「宮部みゆきが「本よみうり堂」でおすすめした本 2015-2019」に出ていたので。
作者は大学の法医学教室に勤務する解剖技官とのこと。
つまりは主人公の梨木楓と同じ。
どおりで、解剖に使う道具や筋肉の名前、
現場から解剖までの手順といったことが細かく書かれている。
そう意味では本物だし、とても興味深く読んだ。
ただどうも人物描写にのれない。
上司の准教授は腕は確かで切れ者、ワークホリック、洋服には無頓着、
車ではすぐ寝る、警察に探偵代わりにされるのは嫌がるくせに、
それでいて部下には手柄自慢。
その高校の同級生、検視官は同じく優秀だが、スーツや時計にはこだわりがあり、
女性には優しく、ミステリーファン、准教授にはちょっとごますり。
どうも、ぴんとこない。
登場人物に暗い過去とか、抱えている秘密とかが無いから?
遺体が解剖室に運ばれる際に、
楓は遺体搬入口のドアを開ける前にジャンプしていたが、
それは著者本人もやっているのだろうか。