【感想・ネタバレ】いのちが教えるメタサイエンス 炭・水・光そしてナチュラルチーズのレビュー

あらすじ

近代科学に見えない、いのちの力

北海道新得町にある共働学舎は、社会生活を営みにくい様々な負担を背負った人々を受け入れ、共働生活をしながら、牧場で自立して生きていくことをまなびやとしているNPOです。
その代表である著者は、酪農ひと筋に37年をかけチーズ王国ヨーロッパをもうならせた世界一のチーズを産み出しました。
そこでは、炭・水の秘められた力を駆使し、100ヘクタールの牧場を自然の働きがうまく循環するいのちのエネルギーの場に変えた結果でした。
本書は、自然の中に潜在するいのちを活かす科学(=メタサイエンス)を農業、発酵、酪農、住環境に幅広く応用出来る方法を著者独自の視点で解説しています。

【まえがきより】
世の常識にとらわれず、炭を埋めたり自然素材で牛舎や住宅を建てたりと、その人、その動物や作物、その土地の持つ潜在的な力を引き出すように作った牧場空間は、多くの実りをもたらした。そこには長年の自然観察と、かつて学んだ物理学や生態学の、そして先人達の智恵が活かされている。

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Posted by ブクログ

 自然のリズムに沿って生きると、すべてのエネルギーは最大限循環し、声明は豊かに生きる事が出来る。自然と命の調和を目指す「メタサイエンス」が、これからの社会に必要だ。

 まず、炭の効用から述べたい。炭を埋めると、湿地が乾く。炭の電子を引きつける効果が、電子を含む水を誘導できるからだ。
 炭の科学的根拠を知る際に、楢崎皐月の理論が基礎にある事を知った。三角炭埋によるイヤシロチ化が、炭を用いる際の根拠となり、それにより、土地が活性化する。
 一方で、その周囲に、弱る土地が存在する。
 三角炭埋を人間に当てはめると、エネルギーは溜めるだけでなく、適度に循環させることが不可欠である事が導ける。
 伊藤孝三氏が、十字に炭を配置する事で、三角炭埋の課題を解消する事を発見した。彼は、地球の磁場が環境により変化することから、それを着想した。
 炭埋は根本の理論の理解が不可欠だ。現場の状況に応じて実施する。炭埋では、目的を重要視するべきだ。炭埋の恩恵により、筆者の牧場は上手く行っている。
 基本的に、太陽の動きに連動してエネルギーの流れをコントロールする事が、生命は正しいリズムに沿って生きる事が出来る。そのリズムが上手く受け止められない時、炭を使う。
 エネルギーの循環は、精神にも影響する。物質界も生活界も精神界も同じ法則で動いている。社会も、三角炭埋と十字炭埋の違いのように、エネルギーの循環に気を配るようにしなければならない。

 自然に沿って生きることは、自然を捩じ伏せるよりも、断然賢い。それを農場用の電子水で学んだ。
 電子水は、確かに効果があった。実際、電子水に浸すと傷が早く治った。人間の健康上も、水は最重要だ。
 では、良い水とは何か?そのポイントは、常磁性のある、良質の自然石の出る岩層にある。その再現には、セラミックスが有用だ。
 筆者は、水の効果は、水の転写性によるものだと考えている。体の害になるものを取り除くだけでなく、自然にある様々な要素を全体として取り込む必要がある。
 それらは、単独では害になる場合もあるが、全体として必要になる。

 理想水の作成では、微生物が重要な役割を示していた。現在の生産社会では、微生物が嫌われているが、その発酵作用の恩恵は人間社会に大いに貢献してきた。
 その発酵作用の貢献は、電位によって生ずる。だから、体内の微生物の活性化には、電位の発生が必要だ。
 微生物においても、善玉・悪玉のバランスが全てを決める。そして、良いバランスの維持には、エネルギーの循環が正常か否かによる。
 それには、炭とセラミックスが要になる。発酵には、その土地の気候・風土も大いに関係している。

 自然で循環するエネルギーについて考える。それは全て、電磁波である。
 P・S・キャラハン氏によれば、樹は、複数の電磁波を調合して吸収している。そして、電磁波と常磁性は、心身の体調にも影響するのではないか。
 インカの優れた農業生産も、場所と地形にその秘密があったと考える。植物は、光合成の際に、陰と陽に当たる、新陳代謝を促す、沈静化するエネルギーをそれぞれ吸収する。
 電磁波の理論は、人間の精神現象を解明するかもしれない。

 自然のリズムには、天体の運行が関わるのではないか。人間の生活リズムも、朝起き、夜眠るのが最良である。
 太陽と月、自転する地球の位置関係だけでなく、公転もエネルギー変化に影響を与える。

 現代の「鉄の文化」を見直すべきだ。それには、メタサイエンスのアイデアが役に立つ。
 これまでの社会的価値観を「陽の文化」と呼ぶならば、これからは、「陰の文化」が必要だ。それは、宇宙の根底にある自然のリズムに沿ってものをつくり、暮らす太陰暦の文化で、生活を回すための経済に支えられた経済だ。

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2012年11月24日

Posted by ブクログ

2012/1月
物理 自然 水 磁場 微生物 エネルギー宇宙 天体活動
心理 人の心 精神 社会 歴史
あらゆる角度、あらゆるスコープから捉えた各論は仮説、推論としているが、説得力があり非常に興味深い。
共働学舎というフィールドと照らしあわせ、各論を決定づけるには足りないかもしれないが、そう感じることは多々あると思う。
最近考えていたことが

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2012年01月22日

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