【感想・ネタバレ】江の島ねこもり食堂のレビュー

あらすじ

江の島に「ねこもりさん」と呼ばれる女たちがいた。それは島の猫の世話をするという、とある食堂の隠れた仕事。 1912年のすみゑ、1967年の筆、1988年の溶子、そして2017年の麻布。一家の女たちが、ねこもりとして生きたそれぞれの人生は、新しい命を結び、未来を繋いでいく。あなたの血にもきっと流れている、百年の物語。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

江ノ島にある、100年続く食堂の過去と未来が描かれる。
それぞれの時代を生きた、すみゑ、筆、容子、現代の麻布まで。
ねこもりという、江ノ島に暮らす猫の世話をすることが、食堂の女性に課せられた役割だった。「半分亭」という店は、最初茶店だったのが、名物ツブ貝を使った丼「江ノ島丼」を生み出し、宿泊もできるように発展してゆく。
そこへ夜逃げしなければならない事情が生まれるのだが、それも理由があった。

「半分亭は、猫とお客さんに助けられてつづいてきた店」

と代々受け継がれてきた。そこにはある猫が必ず現れている。
最後に気になっていたことがぜんぶ明かされて、気持ちの良い終わり方。続編をあれこれ想像してしまう。永遠に続いてほしいお店の話。

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2021年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

タイトルと表紙に惹かれて選びました。
初めは帯に書かれた「百年目の奇跡」とゆうのがピンとこなかったのですが、やはり名取さん作品、最後まで読んで、全部(伏線?とまでは言いませんが)回収され、わかった時にはまたもや泣かされました。
一章から、宿に泊まりに来た昔ながらの常連さんの借金の連帯保証人になり、家族で夜逃げする所から始まり、不穏な感じと、主人公と共に不安と不満を持ちながら読み始めました。それから代々猫の世話をするねこもりさんとしての女の人達の人生について書かれ、島にいる人達の関係を知り、なぜ一章で起きたようなことが起きなければならなかったのかを知ります。
上記にも書いたように最後に全部が繋がり、やっと百年の奇跡の意味を知り、そしてねこもりとしての感動を味わいました。
いやぁー、トラがいい仕事してましたね!あと、江の島をちゃんと隅々までゆっくりさん散策したくなりました。

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2024年11月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

優しくて強くて、心に残る物語でした。

4世代に渡って描かれる江の島の食堂のお話。
いきなり夜逃げシーンも描かれていて表紙から想像していたイメージを覆されました。
主人公となるのはそれぞれその時代のねこもりたちですが、物語に寄り添うように猫たちが出てきます。
夜逃げのシーン、ずらりと並んだ猫たち。また最初の方だったけれど、何だか涙が出てきました。

最初から最後まで。
一本につながるねこもりの歴史。
じーんと心があたたくなります。

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2018年10月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いきなりお店を放棄して夜逃げになったときにはどうなることかと思った。
何か、ファンタジーなどんでん返しがあるとか、いきなり救世主が現れて救ってくれるとか…
冒頭からそんな事は起きませんでした。

江ノ島の「山二つ」にある、「半分亭」は、横に並んで三つの入り口があり、一番左が民宿、真ん中が食堂、右は家族の母屋の入り口で、この部分だけが二階建て。
突然、何もかも捨てて去らなくてはならなくなった、佐宗麻布(まゆ)一七歳。

半分亭は『猫とお客さんに助けられてつづいてきた店』
佐宗家にはなぜか女しか生まれず、その女たちは、代々「ねこもり」を引き継いできた。
ユエ、すみゑ、筆、溶子、麻布と続いてきた、女性たちと、彼女たちと江の島との様々な思いと歴史が語られる。
懐かしい昔と、決して平たんではない彼女たちの道でしたが、それぞれの青春があったのだな、と。
麻布も…もしかしたら麻布が一番苦労をしたかもしれない。
甘いだけでない、でも希望の持てる結びで良かったです。

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2017年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江ノ島に店を構える半分亭。
その家の女子には、代々ねこもりという役割があってー
100年、世代を超えて繋がる人と人とのドラマ、愛情がじんわりと心に沁みました。
名取さんの、人を見つめるあたたかな眼差しは健在。読後は爽やかで優しい気持ちになれます。
要所要所で顔を出す猫たちも、神秘的で憎めなくて、印象的でした。
こんな風に、人や猫と繋がれたらいいなぁ

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2017年04月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

歴代のねこもりさんにまつわるお話でした。
それぞれの人のお話を読むとこの人とここで繋がっているのかぁとその時代ごとの登場人物がいて面白かったです。
あってないような仕事でもねこもりは江の島に必要な役割なんだろうなぁ。

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2025年04月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

江の島で、食堂と島の猫たちの世話を先祖代々やっていた佐宗家。

猫とお客さんに助けられてつづけてこられた店、だった半分亭は
祖父の庄一郎が常連客の借金を肩代わりしたことで、夜逃げという形で店は終わった。

1915年、島に来ていた遊女だった鶴子と出会ったすみゑ。
1963年、すみゑの娘の、体の弱い筆と当時駐在さんだった庄一郎との馴れ初め。

1988年、筆の娘の、気の強い容子が抱いていた江の島の鬱屈と故郷愛。
2002年、容子の娘の、麻布と夜逃げしたこと。
2017年になって、母となった麻布が再び娘と江の島を訪れたこと。

なんか時代感のあるやつだった。
猫いいよね猫。

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2018年02月06日

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ネタバレ

舞台は江の島。
そこで民宿を営む「半分亭」は、代々野良猫の世話をする「ねこもりさん」の仕事を任されていた───

江の島の食堂と猫ちゃん、
想像していたほっこりな世界とはだいぶ違っていました。

一番印象に残ったのは筆の章。
からだは弱くとも、心まではそうならない筆の淡い恋物語がせつなかった。
置かれている時代、場所で、それぞれに精一杯生きた女性たちの友情と約束。
100年かけて返すことができたもの。
長い長い年月を経て、繋がった奇跡。
色々な想いがじわ~っとこみあげてくる物語でした。

猫好きとしては、もっと猫ちゃんがでてきてほしいと思ったりもしましたが、
逆に急所をついて現れる猫ちゃんたちの存在感がすごい。
もうね、ベビーカーの回りに島の猫達が集まってきたシーンには胸がいっぱいで…
守っていたつもりが、守られていたのだなぁと…
約束、はたされました。

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2018年03月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

時間の行き来の仕方がちょっと説明的になってしまっている気がするのが残念。戦前は今考えるよりずっとどこにでも近くにあるのだろう。

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2017年03月26日

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