あらすじ
佐藤亜紀氏・高遠弘美氏・伏見憲明氏・富士川義之氏・柳下毅一郎氏、推薦。もうひとつの20世紀アメリカ文学史を描く壮大なデビュー長編小説!
ジュリアン・バトラー。
トルーマン・カポーティ、ゴア・ヴィダル、ノーマン・メイラーと並び称されたアメリカを代表する小説家。バトラーの生涯は長きにわたって夥しい伝説的なゴシップの靄に包まれていた。しかし、2017 年、覆面作家アンソニー・アンダーソンによる回想録『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』が刊行され、遂にその実像が明らかになる――。
今、もうひとつの20世紀アメリカ文学史が幕を開ける。
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Posted by ブクログ
どうして私はジュリアンバトラーの著作もアンダーソンの著作も読むことができないのか。
どうしてこんなに興味を掻き立てる書評を前にして、インターネットで検索しても検索しても、著作が一冊もヒットしないのか。悲しい。
20世紀のアメリカでの同性愛に対する偏見が生々しく描かれる一方で、序文から参考文献に至るまで、作者の緻密な技巧に唸らされた。
ヘテロセクシャル、白人至上主義、男性優位社会。こういった思想は、20世紀のアメリカに限らず日本でも文学の世界に色濃く描かれている。
文学は時代を写す鏡でもある。そういった作品を読むとき、その時代の社会通念やその裏側を考えながら読む必要があると、改めて感じた。
そういった時代の先駆者のなかに、なぜ、こんなに素敵で魅力的で、人を愛する強さを教えてくれる2人がいなかったのか。
いてほしかったし、その著作を読みたかった。
ジョージはたぶん、ジュリアンに出会えたから、愛を知ることができたし、その後の余生で愛を与えることができたのだと思う。
無償の愛、を知ることができたのだと思う。
Posted by ブクログ
翻訳本かと思うほど緻密に作られたフィクションでした。読み終わった後に感嘆した。
耽美な文章。
純愛そして切なくなるような偏愛。
登場人物の全てが愛らしくとても楽しかった。
「あとがきに代えて」も作品の一部になっており、作者自身が感想を語る入れ子になっていて面白かった。
Posted by ブクログ
回想録にて言葉足らずで毒舌なジョージ語りにより、本当に2人は恋人か?と思っていました。
ジョージ自身依存だと言い切っていましたが…どんな形でも彼は最期までジュリアンの傍にいました。
日記の最後にて、ジュリアンの容姿と衣装が変わっていく様は、季節の移り変わりのようで、それだけの年月を2人は過ごしたのだと、涙が出そうになりました。
分厚い本書は、不器用な彼なりの壮大なラブレターなんですね…。
緻密な構成で、ジョージのように作者様は沢山渉猟された事が伺えます。
愛と虚構だらけの素敵な読書時間でした!
ジュリアン・バトラーの本をぜひぜひ読んでみたかった…!