【感想・ネタバレ】風林火山(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

疾(はや)きこと風の如く、徐(しず)かなること林の如く、侵掠(しんりゃく)すること火の如く、動かざること山の如し――。自ら謀殺した諏訪頼重の娘・由布姫を武田信玄の側室とし、子供を生ませることによって諏訪一族との宥和を計る独眼の軍師・山本勘助。信玄の子を生みながらも、なお一族の敵として信玄の命をねらう由布姫。輝くばかりに気高い姫への思慕の念を胸にして川中島の激戦に散りゆく勘助の眼前に、風林火山の旗はなびき、上杉謙信との決戦の時が迫る……。ロマンあふれる華麗な戦国絵巻。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

文章が読ませる文章であっという間に読み切ってしまいました。井上靖さんの凄みを感じました。
勘助と同じようにいつの間にか大して理由もないのに義信にいい印象を持たないまま読んでいましたが終盤のシーンには心が震えました。勘助はかの有名なキツツキ戦法を失敗し討死したことは知っていたのですがそれ以外は殆ど知らないままこの本を読みました。
結局、勘助が勝頼の初陣を見れぬまま討死してしまったのは戦国の世の無情を感じました。
他の感想で書いている方が大河ドラマに比べて短いと書かれているので機会があれば大河ドラマの方も見てみたいと思います。大河ドラマが見てみたくなるくらい面白かったです。

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2025年09月30日

ネタバレ

歴史小説のお手本。

もう何度も読んだのに、やっぱり手元に持っていたくて、電子書籍にて購入しました。

一応大河ドラマの原作扱いに成っていますが、余りそこには拘らなくて良いかと思います。

自分の武田好きは、中井貴一さんの方の『武田信玄』から始まっているのですが、ドラマ先行で原作を読んだせいか、新田次郎と云う作家の感性とはちょっと合わない部分を感じました。
その後の『武田勝頼』も読みました。
「つまらない」「嫌い」というのではなく、「合わないなぁ」という感じです。

と云う訳で本書は、初め殆ど期待せずに読んだのですが、この文量でこの物語の芳醇さは何処から出てくるのか、本当に唸らされました。
決して(お話の)視界が狭い訳でもなく、キチンと目配せの利いた人物の扱い方をしているし、
それでいて合戦シーンみちゃんと書き込まれています。川中島の「風」さえ感じられたと言っては褒め過ぎかなw。

こういう「手練れ」の作品に出会ったのは、その当時殆んど無かったので、一読して驚きました。由布姫と勘助の関係も、変にベタベタしていないところが素晴らしい。寧ろ大河ドラマの内野聖陽さんの方が力みかえって演じられていたので、原作の良さが活かされていない感が有りました。

とにかく武田好きの方には、絶対に読んでほしい名作だと思います。

#アツい #泣ける #感動する

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2022年04月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

武田信玄の軍師だったと言われる山本勘助が、武田家に仕えて川中島の合戦において討死するまでがまとめられた作品です。
信玄、諏訪の姫、勝頼にほとんど恋をして、彼らのために生き続けた勘助。老人ながら奮闘したのに、上杉謙信を倒すまで生きてられなかったのが悔やまれますね。
最期を悟った勘助が上杉勢との戦いに臨む前から描写にただならぬ緊張感がありました。啄木鳥戦法を見破られ負い目を感じるも、死に際に高坂や馬場が駆けつけてくる希望で終わる感じがよかったです。

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2021年08月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山本勘助の物語。
300ページほどの本だったので数日で読めました。

本書では軍師として描かれています。
間者より軍師の方がピタッときますね。

今川家で士官が叶わないところから、武田家で召し抱えられ、軍師となり川中島の戦いで死去するところまでが描かれています。

物語の導入が上手かったです。
青木大膳という浪人者を最初描いておいて、少ししてから勘助を登場させるところが上手く話に引き込まれました。

信玄との関係性の他に由布姫(諏訪御料人)と勝頼に忠誠を誓うところも話の柱となっていますね。
信玄は於琴姫も妾としたので、勘助は一度於琴姫の命を奪おうとしたりもします。

軍師としての活躍も十分描かれており、評価の高い本であるのがわかりました。

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2021年02月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ラストが凄い。

この場面を書くために、物語を引っ張ってきたという感じ。

無駄が無くてスッキリしてる。
大河ドラマは、無理やり宿命だの愛憎だのドロドロを盛り込んでるけど、原作はそうでもないですね。

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2015年06月17日

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