【感想・ネタバレ】従順さのどこがいけないのかのレビュー

あらすじ

理不尽な出来事に見てみぬふりをしていませんか? 誰かのいうことに従っていても、世の中は解決しない問題だらけ。打開するには自分で声をあげるしかありません。そうしたあなたに勇気と思考を与えます。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

「他人を守ってこそ、自分も守れる。己のことばかり考える奴は、己をも滅ぼす奴だ。」七人の侍、島田勘兵衛

神の命令に従うから。
自分の良心の声に従うから。
「共通善」に従うから。

最近の政治は、共通善の声に従わず、権力者の都合の良い形で権力を使われています。派遣業法しかり、LOOP導入しかり。

政治学を学ぶってぇのはさぁ、生きることを学ぶってぇことなんだよ」慶應義塾大学法学部政治学科内山秀夫教授

0
2025年06月15日

Posted by ブクログ

自分の頭でしっかり考えよう!
なんでも鵜呑みにするのはやめましょう!
国や制度だって必ず正しいとはかぎりません!
そんなことを教えてくれる本です。

0
2024年10月24日

Posted by ブクログ

「最も警戒しなくてはならないのは公権力である政府」という一文は、今の時代に特に重要なメッセージだと思った。日本では政府の政策に対して、心の中や内輪の会話で不平は言っても、結局は「国が決めたことだから仕方がないよね」と抗議行動をする前に諦めてしまっている人が多いと思う。そしてさらに悪いのは、政治に無関心であること。これでは怒るきっかけもないまま、権力者のやりたい放題になってしまう。

まずは知ることから。そして流されるのではなく、能動的に選択をすること。自分の意思を表明すること。政府は必ずしも国民の自由や幸せのために動きはしないということに改めて気付かされた。

0
2023年03月15日

Posted by ブクログ

自身の良心に従い、自身の意見を表明することの大切さを説く本。

歴史的事実や映画などを題材に自分の意見を述べることで事態が好転していく可能性があることを力説している。筆者の膨大な知識量に圧倒されて、個人的にはかなり勉強になった。歴史を単に事実の集合体ではなく、筆者のように立体的に捉えられたら良いと思う。巻末に書いてあるが、ここで触れられている映画は近々見てみたいと思った。

0
2022年06月12日

Posted by ブクログ

一気に読めるくらい読みやすく、面白く、しかも頭の中を整理できる。
私個人は「わきまえない女」なので、上にも人事にもずいぶん睨まれてるけど、勲章ぐらいにしか思ってない。そういう人間が組織には必要だから。ただ、なぜそうすることに意味があるのかを、筋道立てて子どもにわかるように説明するのは難しいなぁと思っていた。この本は、ちょうどそのニーズにはまった。
取り上げられている映画や小説、ドラマも(「必殺仕事人」とか。菅江きんさんが好きで見てた。懐かしい。)面白そうで興味を惹かれる。
直接の内容からは逸れるけれど、『日の名残り』の説明は「そうかー、そういう話だったかー」と納得。というくらい、自分が読みこなせてなかったことに気づいた。恥ずかしい。後でもう一回読んでみよう。そして『浮世の画家』と読み比べてみよう。

0
2021年10月12日

Posted by ブクログ

日本人はとかく、権威(国家や会社など)に対して従順であることが美徳とされている。
しかし、歴史を紐解くと、国民が従順であったために起こった不条理な悲劇は枚挙に暇がない。
そのような中で、我々はどう生きるべきなのか。
私は「共通善」に従うことにも疑問を感じる。
それより、サルトルの「我々とは、我々の選択である」が心に響いた。自分の人生の舵は自分で取るべきなのである。

0
2025年01月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本でいう「先生の言うことをよく聞きなさい」は「指示に従う」ことで「先生への服従」を意味するが、アメリカでは「先生によく質問しなさい」と言われ、「学習内容の理解」を促される。

一つの事実を解釈し、その解釈が感情的反応として表れる。言い換えれば、解釈に必要な価値判断基準こそが怒りなどの感情を左右する。日本人があまり怒らないのは、関心がなく、「どうでもよいこと」だから。

誰一人として自分の確たる意見を持たず、「ただ一緒にいるだけ」で、一人一人が他人の挙動ばかり目をやる集団は簡単に雲散霧消してしまう。これが大勢迎合主義の本質である。

0
2025年01月05日

Posted by ブクログ

本書を語る上で欠かせない思い出がある。
学生時代、グリーン・デイというロックバンドのライブ映像を見ていた時のこと。「マイノリティ」という曲の間奏中、ボーカルのビリーが次のようなメッセージを観客に投げかけた。

「これだけは覚えておけ。支配者がどんな力でねじ伏せてきても、所詮ヤツらはオレたちに選ばれたんだ。オレたちには力がある。オレたちがリーダーなんだ。何から何まで命令してくるようなヤツらに、お前らの人生を明け渡すなよ!」(拙訳…)

グループ自体、元々政治にちなんだ曲を書いていたが、あのライブでの明言には衝撃が走った。と同時に涙がポロポロこぼれてきて、感情が大渋滞になったのをよく覚えている。

物心ついた頃には不景気で、テレビでは不穏な政治ニュースが連日のように報道されていた。まるで、政治は誠意ない人間に回されるのが自然の理であるかのように、毎日。
そのため政治への不信感は早期からついており、日々言葉にできない閉塞感に覆われていた。ビリーの言葉はそんな心の檻を蹴っ飛ばし、自分を解き放ってくれた。「政治を回すのは自分たちなんだ。自分で判断し、自分の意志で動かなきゃいけないんだ」って。

ようやく本題だが、この思い出と本書のテーマは共通している。
本書の主人公は、「その他大勢の傍観者」。国や自分が所属する組織の政治に決して口答えしない、従順な人々である。何もないところから反旗を翻すような人種は、「マイノリティ」というわけだ。
Q:政治とは誰かに一任するものであって良いのか?
自分がビリーのおかげで答えに気づけたように、また別の誰かがここで覚醒してくれることを願っている。

服従するとはどういうことか、服従することでどのような思考に陥るのかを、これでもかと掘り下げた本書。我知らず、何かに服従している読者へ直接呼びかけているようにも思えた。
服従に関する具体例がまた、実際の事件や映画・小説など、興味を引くコンテンツばかり。命令されるがままにユダヤ人の移送任務を遂行したアイヒマンから、カズオ・イシグロの代表作『日の名残り』で前雇用主の要望に応え続けた執事と、従順な人々の例がバラエティ豊かに紹介されている。

著者曰く、誰かのことを「偉いなあ」と思い従った時点で、その人との間にはもう「政治」が成立しているという。
そこから従順になっていけば、たちまち思考が停止する。自分で責任を取らなくて良いと考えるようになる。何かあっても「しかたがない」で済ませようとする…。まさに傍観者である。
ライブ映像を見て以降、何か本格的な政治活動に関わることはなかった。それでもできる限り持論を持つよう心がけてきたし、投票も慎重になった。あの感動の影響力であることは間違いない。

「『NO』というべきことをはっきり拒否できる人だけが、『YES』というべきことをはっきり肯定できる、ということです」(P 211)

A:トップに立つのがどのような人物であれ、自分の意志は崩さず、必要ならどんな形にしてでも示していくこと。音楽でも、文章でも、はたまた(最低最悪の事態であれば)暴力でも。

0
2024年10月15日

Posted by ブクログ

大人しく従うことが社会に及ぼす影響を考えさせられました。他人に合わせることが時に自分の意見を失わせ、無意識のうちに不公正に加担してしまうリスクがあると感じました。自分の良心に基づいて行動し、考え続けることの大切さを学びました。

0
2024年08月21日

Posted by ブクログ

感想
ミルグラムの衝撃。権威に疑問を持たなくなった時残忍さに身を堕とす。大規模なマインドコントロールは不要。隣人がやったという事実だけで十分。

0
2022年11月27日

Posted by ブクログ

バ先の教室長に反抗しようと思って読みました笑。行動が重要なことはよくわかった。けど、リスクは伴うよねえ。

0
2022年09月18日

Posted by ブクログ

長い物には巻かれたい主義の自分にとっては、かなり耳痛い内容だった。全ての主張に同意できる訳ではないが、少なくとも「現状維持のために思考停止に陥らないこと」「己の良心や『共通善』について(正解はないとしても)考え続けること」は有権者として心に留めておきたいと思った。

0
2022年08月21日

Posted by ブクログ

面白かった。
従順でいることのデメリットや社会的影響を説きつつ、本題は政治に興味を持ち参加しよう、という話だった。
たしかに、大人しくしておけば面倒なことにならずに場が収まるのに…とか、黙って従ってればいいのに…とか、悪いことが起こっても見て見ぬふりをすることはよくある。小さいことなら仕事でモヤモヤしつつ発言しないとかがある。そうすると望まない方向に決まってしまうし、発言しなかった自分が悪いと思う。

本書では、何に従うのかという文脈で、神の声、自分の良心、共通善という3つをあげているが、結局神は人間が作り出したものであるし、自分の良心はその時々の時代によっても考え方が異なると思うから、本当にその時の判断や従うものが自分にとって、世界にとって良いことであるのかは分からないなと思った。アイヒマンだって戦争の結果が違ったら英雄とされていた可能性はないのか?
また、この本では服従しないことを勧められているが、過去の例を見ると服従しないということは命の危険に晒される場合が多いということ。果たして権力に服従して生きながらえるのか、権力に服従せず死ぬのか、どちらが良いのだろうか。

ただ、小さなところから始められることとして、仕事の会議で恥ずかしがらずに自分の意見を言うことから始めたい。
意見を言うこと、服従しないとこは恥ずかしいことではない。

0
2022年06月21日

Posted by ブクログ

コロナ禍の現代、同調圧力の強さをあらゆる場面で見聞きすることが多くなり、自分の考えを表に出すことが何故か不遜なことだとする風潮がある.政治について語ることも少なくなってきており、団塊世代の小生としては学生時代に戻って語り合いたいと思うこの頃です.問題意識を常に持つことの重要性を教えてくれる好著です.

0
2022年02月18日

Posted by ブクログ

分かっていてもなかなかノーと言えない日本人。
従順さではなく自らの良心に従った不服従を意識していきたいと思った。
自己責任が本来は政府に対しての抗議の言葉だったと知って驚いた。胡散臭く保身ばかりが大事な政府にも注目したい。
よく整理されていて分かりやすかった。

0
2021年12月09日

Posted by ブクログ

国外生活から日本を見たときに、あまりに従順な国民性に危惧を覚えたとしたら宜なるかな。若い読者に向けて、長いものに巻かれることなく「信念」「良心」「共通善」に照らして自分の頭で考え行動するよう促すのは大事なことだと思う。本書の評価の高さから窺える、このような論に触れたりこのような考え方を持つことに思い至ってこなかった日本人の多さに寧ろ驚くが、信念を持つこと、良心に照らすことに慣れていない者に、ときに権力に逆らうこともやむなし、と説くことには些か危惧を覚える。個人が抵抗を覚えるのはわかりやすい暴政だけではない。様々なシーンで立ちはだかる種々の慣習やルールに覚える反感の根拠とする「信念」や「良心」はどの程度の強度なのか、前提として想定する「共通善」は確かなものか。不服従の前にまず是々非々で熟慮し、自分の中の判断基準を養う段階が欠かせない。

0
2024年11月04日

Posted by ブクログ

“自分の信念をどこまで妥協せず貫き通せるか。自分が予期したのとは異なる結果をも引き受けつつも、その結果に挫けず「共通善」の実現のために、どこまで努力を続けるか”

0
2024年11月03日

Posted by ブクログ

秩序が保たれていることは不正がないことを意味しない。しかし、その秩序を自明だと思っている人にとって、不正の被害を受けて抗議する人は「秩序を乱すハタ迷惑な存在」に見えてしまう…というのはもっと広く共有されてほしい指摘だと思った。
良い本だけど論拠にとっちらかりを感じたな。抵抗がヨーロッパの思想的伝統である、と何度か書くなら、思想家と歴史に沿わせた構成にした方が良かったのでは。とはいえ、参考文献やブックガイドもないので、エッセイだと思えば面白く読めた。

0
2024年10月27日

「社会・政治」ランキング