あらすじ
新卒銀行員の良平と漫画家志望の健太には裏稼業がある。人の記憶を小瓶に入れて売買する「店」だ。ノルマに追われ奔走する二人は、ある日、路上ライブで流浪の歌姫・星名と出会う。彼女の過去と歌詞に秘められた謎、一家焼死事件の生き残り、迫りくる脅迫者の影、そして、スワンプマンとは誰だ!? 絡まりあう幾多の謎が解けるとき、美しくも残酷な真実が浮かび上がる。新潮ミステリー大賞受賞作。(解説・新川帆立)
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Posted by ブクログ
裏家業である記憶の売買をする「店」で働く若者二人と、偶然見かけた路上ライブをする歌姫が出会い、物語は彼女の過去を追いつつも、別の真実が見えてくる。あのセリフ回しはそういうことだったのかとか、二人の本当の出会いだとか、最後まで読んだときにすとん、と話が頭に落とし込まれる感じがした。
ハッピーには終わらなかったが、綺麗な話だ。人の記憶とは、生きていることとはどういうことなのか。記憶があるからこそ、その人はその人であれるのだろうか。
結局「店」が何だったのかは、謎のままだ。
Posted by ブクログ
構成がしっかりしていて、伏線回収もすごく、最後は一気読み。
設定があり得なすぎて、なかなか想像するのが難しかった。
『ナイト』はきっとそうなんだろうなーと思っていたけれど、想像以上の繋がり。
『ナイト』の意味は予想だにせず、関心しながら笑ってしまった。
Posted by ブクログ
うーん、面白くないわけではないけど、微妙。ちょっと消化不良気味になるかな。
ジャンル的には、ミステリーとSFの間というか、ミックスというか。
大きなテーマ「記憶の取引」については、これが可能という大前提を受け入れないと読めないので、そこでつまづいたり、最後までその仕組みの説明がないことにフラストレーション感じる人は、読まない方が良い。
その意味では、よりSFに近いかもしれない、
何か引っかかると思うところはだいたい伏線で、あとで納得がいくんだけど、肝心の、ナイトとひとみがそここまで切実に相手を思い、叶わないなら記憶を捨ててもいいまでに思い詰める気持ちが、ピンと来ない。
そのせいもあってか、入り込むまでには何か足りない感が残った。