あらすじ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
疫病・地震・経済低迷
不安な時代に共感度100%
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
日本の古典で1番読んでもらいたい本
――解説・養老孟司
800年以上、時代をこえて読みつがれるのには理由がある。
地震・火事などの天災、政府による人災を見てきた人間の本音。
枕草子・徒然草とならぶ日本三大随筆、ついにマンガ化!
「ゆく河の流れはたえずして〜」
どこに住み、何をすれば、心おだやかに暮らせるのか?
ミニマリスト、断捨離、自分探し…、生きづらさの原点は『方丈記』にある。
【目次】
第1章 ゆく河の流れ
第2章 大火の災い
第3章 大風の災い
第4章 遷都という人災
第5章 飢饉の災い
第6章 地震の災い
第7章 とかくこの世は生きづらい
第8章 小さくなる家
第9章 山での暮らし
第10章 何のために家を作るか
第11章 執着
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
お見事!
方丈記をして、”日本最古の災害文学”とした時点で、本書は手に取って読んで(見て)みる価値がある。
たぶん、ちゃんと(?)読んだのも中学生の国語の授業以来か。しかも、後段になればなるほど、覚えていない。
けれども、あれから40余年が経ち、著者の最晩年に近い年代になってくると、鴨長明の述懐がなんともジワジワと心に沁みてくる。作者の年齢に近くなってこそ、分かるものの道理というものは、ある。
福原遷都の頃を思い返し、こう記す著者;
「人の心みな改まりて、たゞ馬鞍をのみ重くす。牛車を用する人なし。」
上記は、これまで貴族の乗り物だった牛車ではなく、当時台頭しはじめていた武家が好んで乗る馬がもてはやされてきたことを嘆いている文章だ。
現代に目をやれば、やれIT革命だ、働き方改革だと、なにかと新しい価値観を追い求めがちだが、果たして、スピードと利便性重視ばかりで良いものか、と考え直さなければいかねいのかもしれない。
歴史は繰り返すと達観もできるが、少しでもより良い方向に動いていけば、ゆく河の流れに久しくとどまることのないうたかたの身であっても、よい人生だったと思えるにちがいない。