あらすじ
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アニメーターの世界を歩くための ゆるくてシビアな業界入門書
市場規模2兆円に成長したアニメ業界。
しかし、そこで働くアニメーターたちにはいくつもの問題が山積みとなっています。
長時間労働・低賃金、深刻な人手不足、分断されるアナログとデジタル、作画崩壊、放映落ち……。
社会問題にすら発展したアニメーターの働き方と現実を、
人気作画監督・西位輝実の実体験と取材をもとに伝える業界入門書!
インタビューに3名が登場!
入江泰浩(一般社団法人日本アニメーター・演出協会代表理事)
ロマン・トマ(『キャロル&チューズデイ』アートディレクター)
麻生秀一(『メカウデ』TriFスタジオ代表)
▼著者名
西位輝実(著)、餅井アンナ(著)、死後くん(イラスト)
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
アニメーターの仕事や、アニメーター視点での業界の現在や未来について
エンディングのクレジットに作画監督が何人いるかで現場の追い詰められ具合が分かる
アニメーターの平均労働時間は1日10時間
アニメのDVDがパッケージとして売られるようになって絵柄を揃える必要が出てきて総作画監督が導入された
フランスではフリーランスアニメーターがほとんどおらず、半年から2年制作会社と契約を結んで、朝から夕方まで常駐して仕事をする
作業もデジタルに移行済みで間に入る人がそんなに必要ない
製作を雇うコストを削減できている分、アニメーターの給料は少し良くなっている
アニメーターが仕事を引き受けるときに確認する観点は主にスケジュールとギャランティ
二原だけの仕事が今はたくさんあるから、アニメーターの仕事を副業にすることもできる
絵が上手くなりたいなら専門学校ではなく制作会社やスタジオが主催する私塾がおすすめ
お客様としてではなく、戦力として扱われるから
自分でなくても良さそうな仕事、コピペのようなスケジュールなど最低限の情報のみの文面ではやる意義を見いだしにくい
作品に合ってると思うのでぜひ描いてほしい、のような必然性のある依頼であるといい
長時間労働が制限されるようになった結果、仕事が終わらなくなった
スケジュールと予算が倍近くにならないと8時間労働には収まらない
制作会社は製作委員会との交渉の際に、国から言われてることなのでこの条件ではできませんと言うことができて、予算やスケジュールの交渉もしやすくなってきている、はず
Posted by ブクログ
絵コンテと原画、動画などがそれぞれどういった工程なのかは確かによく理解していなかったので純粋に勉強になった。そんなアニメ制作の裏側を労働条件や金銭事情まで余すところ無く明かした一冊。既に海外アニメに押され気味の日本アニメだがこれ読むと本当に行く末が心配…自分に出来る事としてせめてお金は落としたい。
Posted by ブクログ
昨年か一昨年?日本のアニメーションが映画方面でとにかくすごい勢いだったなと思い、なんとなく読んだものの、業界構造…というかアニメーション出来上がるまでの工程に絶句した。こんなに役割が細分化されてるもんなのか。
良い人材が育たない問題もなかなか頭が痛い話だった。
分業制を前提として一つのフローが出来上がり、キャパオーバーで回り続けると、そこから大きな構造の組み換えをするのは難しい。でも日本のアニメーションの多くがここから生み出されていて容易には崩せない。
デジタル技術をもっと活用したイノベーションが破壊的な影響を与えないと、変わらないのかなと…日本国外でも良いアニメーションが生まれつつあるので、そことの競争意識を持って、構造から見直す動きがでてくるとよいな。